内容説明
20世紀末の十数年間、川口敦子ほど多くの世界の映画人(監督そして俳優)に会い、インタヴューし、彼ら・彼女たちから言葉を引き出し続けた人がいただろうか。映画の魅惑をさらに輝かせる、監督たち・俳優たちの言葉の生々しさ。これは、その魅惑を集めた、著者の初めての映画論集。
目次
ジム・ジャームッシュ
レオス・カラックス
ガス・ヴァン・サント
クエンティン・タランティーノ
ハル・ハートリー
ロバート・アルトマン
ヴィム・ヴェンダース
コーエン兄弟
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
15
私自身がリアルタイムに通り過ぎていながら一ミリも掠っていなかったレオス・カラックスやクエンティン・タランティーノ、ティム・バートンやジム・ジャームッシュについてのエッセイ(本書の文章の軽やかさを「論考」と呼ぶのは躊躇われる)を、当時の熱が伝わって来る生々しい筆致で読めたことは収穫だった。なかなかこういう平たく映画を愛して綴っている方は居ない。読者にプレッシャーを与えるのではなく、まさに「映画の森」の中に誘うような一冊。アマチュアの筆故だがスマートで手触りは冷たい。それでいて突き放さない。貴重な一冊と言える2018/03/28