出版社内容情報
「新人育成って大変だ」──現場で働く誰もが一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。どんなに理論を学んでも、日々の現場は予想もしない出来事の連続。「どう声をかければよかったのか」「あの場面での判断は正しかったのか」と迷い続けるものです。だからこそ、育成は難しい。しかし同時に、我々を成長させ、園の保育の質を上げてくれる、そんな存在でもあります。
保育の世界は今、大きな変化の波の中にあります。深刻な人手不足の中で、新人が安心して働き続けられるかどうかは、園の未来を左右する大きなテーマです。社会全体でも「人的資本経営」という言葉が注目され、人を会社の資本ととらえ直し、人を育てる姿勢が強く求められています。新人育成は、単なる引き継ぎや業務の習得ではなく、園の“未来をつくる仕事”なのです。
育成に正解はありません。相手によっても状況によっても、うまくいく方法は変わります。しかしひとついえるのは、かかわり方のちょっとした「さじ加減」で、新人さんはぐっと伸びるということです。「怒る」のではなく「聴く」「任せる」でもなく「支える」。そのバランスのさじ加減が、本人のやる気や成長に大きな差を生みます。
本書は、著者が実際に現場で積み重ねてきた試行錯誤から生まれた1冊です。新人さんの育成に迷ったとき、壁にぶつかったときに繰り返し手に取って、「次の一歩」を踏み出すきっかけにしてもらえるよう願いを込めました。ページを開けば、きっと「こうしてみよう」「こんな視点もあったんだ」そんな小さなヒントが見つかるはずです。
<目次>
はじめに
第1章 新人が育つ、先輩が活きる 『かかわり方のさじ加減』
第2章 先輩保育者のかかわり方①毎日積み重ねたいこと
第3章 先輩保育者のかかわり方②毎週積み重ねたいこと
第4章 先輩保育者のかかわり方③毎月積み重ねたいこと
第5章 先輩保育者のかかわり方④季節ごとや毎年積み重ねたいこと
第6章 マネジメントは隠し園長・主任のチーム育成術
おわりに
【目次】
はじめに
第1章 新人が育つ、先輩が活きる 『かかわり方のさじ加減』
1-1 『ほめる』『認める』と『甘やかす』 優しさのさじ加減
1-2 『叱る』『指摘する』と『叱責』『ダメだし』 厳しさのさじ加
1-3 『成功体験』と『依存型成功』 手助けのさじ加
1-4 『失敗』と『学び』 振り返りのさじ加
1-5 『共感』と『同情』 距離感のさじ加
1-6 『相談』と『アドバイス』 対話のさじ加減
1-7 『意見の尊重』と『チームワーク』 協調のさじ加減
1-8 『ルール』と『柔軟性』 運用のさじ加
1-9 『期待すること』と『スモールステップ』 成長設計のさじ加
1-10 『つまづき』と『のびしろ』 課題解決のさじ加減
コラム1 同じ出来事でも、声かけ次第で学びに変える
第2章 先輩保育者のかかわり方①毎日積み重ねたいこと
2-1 出勤時
2-2 早番・朝の合同保育
2-3 朝の支度・おやつ
2-4 散歩
2-5 園庭あそび
2-6 あそび
2-7 午睡前の準備
2-8 午睡
2-9 休憩
2-10 報連相をすべき場面
2-11 活動の提案
2-12 夕方のあそび
2-13 夕方の保育
2-14 保護者対応
2-15 退勤時
第3章 先輩保育者のかかわり方②毎週積み重ねたいこと
3-1 話し合い
3-2 アドバイス
3-3 指摘をする場面
3-4 新人さんのフォロー
3-5 夕方の更衣室
第4章 先輩保育者のかかわり方③毎月積み重ねたいこと
4-1 職員会議
4-2 行事の企画
4-3 書類の提出
4-4 職員関係の構築
4-5 研修
第5章 先輩保育者のかかわり方④季節ごとや毎年積み重ねたいこと
5-1 職員面談
5-2 運動会の企画
5-3 保護者会の企画
5-4 新年度の準備
5-5 1年の振り返り
第6章 マネジメントは隠し園長・主任のチーム育成術
6-1 『揃える』『整える』 育成の下ごしらえは環境づくり
6-2 『見守る』『支える』 育成者の温度調整 育成の火加減
6-3 心配りで大違い かける『ひと声』 添える『ひと手間』
6-4 育成に困ったときは? 吹きこぼれ状態への対応
コラム2 冷静さを保つ2つの呪文
資料編
おわりに



