内容説明
幕末日本の埋もれた史実を繙く!世界に日本型民主主義を示した初の国際人、ジョン・M・オトソンこと山本音吉は、一漂流民からモリソン号事件を経て、幕末の救世主となった。世界初の和訳聖書を翻訳し、イギリス海軍の日本語通訳官を務めるなど近代通訳第1号として活躍。また日本人漂流民を“黒船”から救出、遣欧使節団派遣中の福沢諭吉との邂逅など、数々の歴史的大事件の舞台裏に音吉はいた。
目次
第1章 モリソン号事件編
第2章 懐かしき日本―音吉の生い立ち
第3章 漂流編の概要
第4章 開国プロローグ(その1)
第5章 開国プロローグ(その2)三吉の新たな出発
第6章 日本最初の国際人誕生秘話
第7章 音吉の上海時代
第8章 ペリーの日本遠征に音吉の影
第9章 モリソン号ショックの人々
第10章 音吉の遺言
著者等紹介
篠田泰之[シノダヤスユキ]
1945年(昭和20年)生。1961年三和刃物工業株式会社(現カイインダストリーズ株式会社)入社。1971年正眼短期大学卒業(会社からの派遣)。2006年カイインダストリーズ株式会社退社。退社時『アメリカに勝った国、負けた国』執筆。“関の包丁研ぎ屋さん”の屋号で開業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
10
音吉に関する書物は、かなりいろいろ読んできたと思っていたのだが、この本はまだまだわかっていないことがいくらでもある、、ということを思い知らせてくれた。音吉が関わった聖書の日本語訳の貴重な一冊が、なぜ同志社にあるのか?という謎解きとかも、非常に説得力がある。音吉という個人だけではなく、宣教師に代表される海外の人々や他の漂流者との関わりを綿密に調査し、モリソン号事件が幕末〜明治維新という歴史の転換点の始まりであったことを明らかにする。その手腕は、歴史の専門家・研究者も顔負け。2020/09/12




