内容説明
2016年に配信開始され、これまで各界に影響を与えてきた人気ゲーム「文豪とアルケミスト」を日本文学・文化研究者がそれぞれの専門分野から本格的に検証した論文集。全14本の論文からなり、ゲーム、アニメ、舞台、ノベライズ、朗読、さらにファンの受容、文学館や研究・教育現場との関わりなど多角的な視点から、その魅力を多面的に照らし出す一冊。
目次
第1部 キャラクター・関係性・二・五次元文化(「尾崎一門」の息子たち 「文豪とアルケミスト」における「泉鏡花」と「徳田秋声」の「関係性」;「文豪」を媒介とした「文豪とアルケミスト」の私小説的受容 志賀直哉を例として;キャラクターを通して文学に相渉るとは何の謂ぞ 「二・五次元文化」の中の「文豪とアルケミスト」)
第2部 文アニ・ノベライズ・読書行為(「物語なき世界」にたむろする テレビアニメ「文豪とアルケミスト」の理と視聴者;芥川龍之介と太宰治を結び直す アニメ版・ノベライズ版『文豪とアルケミスト~審判ノ歯車~』の世界観;「文豪」を育てるということ 「おやすみ、カムパネルラ」からのアプローチ;ノベライズ『君に勧む杯』の文豪たち 現実と空想の間に生きる井伏鱒二・横光利一・佐藤春夫)
第3部 アダプテーション・文劇・朗読(多喜二転生 あるプロレタリア文学者をめぐるアダプテーション;演じられた文学者 近代文学と演劇が織り成す世界;「文豪とアルケミスト」における「朗読」の可能性 横光利一「春は馬車に乗って」を聴くという経験)
第4部 文学館・学校・公共性(「文豪とアルケミスト」と文学館・記念館とのタイアップにみる〈関係性〉;〈「文アル」×文学館〉の行方;新美南吉記念館特別展「南吉と読書」と「文豪とアルケミスト」 展示方法の可能性;「文豪とアルケミスト」で近代文学の授業を押し拡げる 文学教育を「文豪コンテンツ」で支えるために)
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