内容説明
小説は、感情と親しいが、分析や主張にも強い。フェミニズム・ジェンダー研究の意義や成果を解説する“理論篇”。テーマごとの問題意識と作品を紹介する“項目篇”。文学研究の現在を知り、小説の豊かさを知ることができるガイドブック。
目次
第1部 理論篇(文学史・文学場―ジェンダーによる配置について考える;ジェンダーカテゴリー―性差と言語表現をめぐる諸問題;女性作家・ガイノクリティシズム―書くこと/読むことによる逸脱と連帯;脱構築・クィア批評―性の“普通”を読みなおす;メディア論―雑誌とアダプテーションからみえるもの)
第2部 項目篇(恋愛;セクシュアリティ;結婚・家族;母性・生殖;少女・学校・友情;ケア;暴力;消費文化・装い;労働・資本主義・社会運動;災害・エコロジー;戦争・帝国主義・植民地;越境・日本語文学)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
50
【疑問や不満を言葉にし書きつけることは、他の人に伝えるという重要な回路を開く】フェミニズム・ジェンダー研究の問題意識と成果を、文学史に目配りしながら解説する「理論篇」、主要なテーマを扱った小説について、あらすじなどを紹介する「項目篇」の2部構成。<文学は、フェミニズム・ジェンダー研究に貢献してきた主要な学問領域の一つである。その理由は、文学が、分析や主張だけでなく感情をも書きつけることのできる媒介であるからだ。男と女という性別を構造的に組み込んだ社会の在り方を問い直す言葉が、文学の中には溢れている>と。⇒2025/02/25
メメント・モピ
1
作品紹介がとても良い。どの項目も勉強になった。学びはこの一冊だけでは終わらない。2023/11/27
SHEEP
1
ジェンダーという観点から小説を読み解くための方法や視点をまとめている。理論篇と項目篇の二部構成で、大局的な視点と個別的な視点の両方から論じていて良い。テーマ一つひとつの紙幅が少ないためざっくりとしたまとめではあるが説明がわかりやすくブックガイドとしても楽しめるため、作品や論文を深く読み込む前の取っ掛りとしてはとてもよくできた本だと思う。2023/11/24
よっちん
0
研究室2024/04/16