内容説明
ゼロ年代前後、SFや純文学を中心に「並行世界もの」が一種の流行現象を見せた。その表現機構の模索の結果明らかになった、この現実世界のあり方をさまざまな次元で撹乱する並行世界の原理的な可能性を追求する。
目次
柄谷行人『探究2』―この現実世界への疑念
東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』―並行世界は何をもたらすのか
三浦俊彦・永井均の諸論―「この」性はどのように分析できるか
筒井康隆『夢の木坂分岐点』―壊れているのは「私」か世界か
岡嶋二人『クラインの壺』―世界はこのひとつだと信じたい
押井守『アヴァロン』―「現実」らしさはどこにあるのか
米澤穂信『ボトルネック』―こんな「私」じゃなくても
円城塔『Self‐Reference ENGINE』―「現実」はほんとうにひとつなのか
舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』―探偵は世界を創造する
東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』―あれも「私」だったのか〔ほか〕
著者等紹介
加藤夢三[カトウユメゾウ]
1990年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業、同大学教育学研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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