目次
第1章 序章
第2章 語の意味
第3章 構文はカテゴリ化への招待状
第4章 創造性:カバレッジの重要性
第5章 競合:統計的先制
第6章 年齢とアクセシビリティの効果
第7章 選ばなかった道
第8章 現在地とこれから
著者等紹介
ゴールドバーグ,アデル・E.[ゴールドバーグ,アデルE.] [Goldberg,Adele E.]
プリンストン大学心理学部。心理言語学、理論言語学、用法基盤主義、構文研究
木原恵美子[キハラエミコ]
神戸大学大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター。英語学、認知言語学、L2談話分析
巽智子[タツミトモコ]
神戸大学国際文化学研究科。心理言語学、第一言語習得
濱野寛子[ハマノヒロコ]
名古屋学院大学。認知言語学、助数詞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
フィルモアの深層格に言いそうで言わない言い方がある点に注目する著者は、このテーマに言葉の慣習性、表現性、効率、記憶、表象のクラスタ化、構文の競合性、エラー駆動型学習に関する「CENCE MEの原則」を適用を試みる。学習者と熟達者の違いに関するコンテクストの用法(背景知識や語の意味理解)の違いを「統計的先制」概念で検討し、語彙と構文彙をネットワークと捉え、カバレッジ(網羅率)なる個々の把握範囲を導入した本書は、近年の大規模コーパス研究を取り込んで、認知言語学を用法と事例モデルの両基盤主義との整合性を図る。2022/01/06
Go Extreme
3
言語学者と心理学者を悩ませる難問 CENCE MEの原則 効率と表現性を大切にする従順な話者 語の意味: 意味(意味論) 形式(統語論) 音声パタン(音韻論) 談話文脈(情報構造 カバレッジの重要性: 知識と記憶 言語の記憶 競合ー統計的先制: 形態と意味の制約 統計的先制 エビデンス リキャスト 年齢とアクセシビリティの効果: 幼児は保守的である 幼児は言語産出を単純化しやすい 足場かけが早期の抽象化を促進 選ばなかった道: 動詞と構文の適合性 見えない素性や深層構造 定着による保守性 現在地とこれから2021/10/23
Akiro OUED
1
うーむ。言えそうなので言っちゃった、という理由はわかった。言語習得中の子供は過剰に一般化するし、外国語習得中の大人は母語に干渉されるし。用語法に統計的先制を引き起こす(と思われる)フリストンの自由エネルギー原理は、著者の言語習得メカニズムに関連すると思う。今後の研究に期待。2022/09/15
JF1RLN
0
Explain me thisと言われて違和感を感じなかった限界中年サラリーマンからすると本書はものすごくマジメで良い本。「大人の英語学習はなぜ間違い続けるか」に対して「強く定着したL1が表象領域を歪める」と言われると納得感も強い。英語構文中心の記述なので、そこが読みこなせるかどうか、という気もする。2022/11/25