内容説明
戦時中、航空機エンジンの増産に命をかけて戦っていた元技術将校が、戦後三十年にして初めて海外旅行を敢行。亡き戦友の分まで貪欲に見聞した当時の世界観を、回顧録を織り交ぜながら書き綴った異色の追憶紀行。
目次
第１章 ヨーロッパ（一九七四年六月）―ギリシア、イタリア、スイス、フランス、スペイン、オランダ、イギリス
第２章 カナダ（一九七五年六月）―バンクーバー、ジャスパー、バンフ、カルガリー、トロント～ナイヤガラ
第３章 アメリカ／メキシコ（一九七五年六月）―ニューヨーク、ワシントンＤＣ、フロリダ、ルイジアナ、カリフォルニア、ハワイ、メキシコ
第４章 フィリピン（一九七六年八月）―マニラ、マカティ、バランガ、コレヒドール、モンテンルパ、カルンピット、アパリット
第５章 ニュージーランド（一九七七年十一月）―オークランド、ワイトモ、レインボースプリング、ロトルア
第６章 オーストラリア（一九七七年十一月）―シドニー、メルボルン
第７章 サイパン島（一九七八年二月）―日本軍司令部跡、バンザイクリフ、軍艦島、マイクロビーチ、Ｂ２９滑走路
第８章 中国（一九七八年十月）―北京、ウルムチ、トルファン、天津
第９章 北欧／フランス（一九七九年八月）―フィンランド、スウェーデン、ノルウエー、フランス～ロワール地方
著者等紹介
前川正男［マエカワタダオ］
大正４年（１９１５年）９月２０日東京生まれ。昭和８年３月東京府立工芸学校（現・都立工芸高校）精密機械科卒業後、東京帝国大学航空研究所に勤務。翌９年４月横浜高等工業学校（現・横浜国立大学）機械工学科に入学。同校卒業後、昭和１２年４月中島飛行機東京製作所に入社。翌１３年１月徴兵検査で甲種合格し千葉県市川の野戦重砲兵第一連隊第一中隊第一班に入営、砲兵二等兵となる。同年７月甲種技術幹部候補生に合格、翌１４年３月東京第一陸軍造兵廠第二製造所に兵技少尉として配属される。昭和１７年８月兵技中尉で召集解除。直ちに中島飛行機多摩製作所に復帰、「誉」発動機推進主任付となる。昭和１９年３月中島飛行機荻窪工場補機機械工場長。２０年８月終戦にて同社を退職。現在、東京目黒区在住
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