出版社内容情報
水俣を40年にわたって撮影してきた写真家が、東日本大震災から7年のFUKUSHIMAを180点の写真で綴る。■大震災から7年、FUKUSHIMAを180点の写真で綴る
「公害の原点」と言われる水俣を40年にわたって撮影した。
2011年3月11日「有史以来最大の公害」の福島原発事故が起きた。2015年明けてすぐ、福島の川内村で、ある葬式の撮影が可能だという話を聞いた。ロケハン用の小さなカメラを持って現地に向かった。
1 受難者たち
避難した先のスーパーの駐車場が満杯で苦労して入れたのに帰る時、福島ナンバー車は避けられ、その周りは空いていた。また福島の被災者が他県に転居した時、車のプレートから福島の文字が消えたことにホッとしたという。
なぜ被害者が差別され、非難され、無視され、放置されなければならないのか。多数の利益の為なら少数者の意見などは無視されて良いのか。
2 子どもたち
全国の病院で子どもの甲状腺ガンと診断されるのは、年間100万人につき1~2人。福島県では38万人のうち甲状腺ガンと確定したのは162人、悪性の疑いは36人に上る(福島県民健康調査、2018年3月31日現在)。
「自分の子どもが甲状腺ガン」と言えない親たちが多い。被害者なのに声を上げられない状況が問題であり、自分たちで抱え込んで、精神的に追いつめられてしまう。共通の悩みを語り合い、問題をオープンにしなければ、加害者側の思うつぼになってしまう。
3 空気も土も水も汚れてしまった
福島の飯館村で老人2人が「近頃 小鳥の声を聴かなくなった」。人間は好き勝手なことをして、ほかの生き物の事は考えない。環境を破壊する。近代科学文明は人間を幸福にするのか。福島の傷は深い。目に見える風景は何の変化もない。静けさの中にある日常で不気味な何かが進行しているように思えてならない。
小柴 一良[コシバ カズヨシ]
著・文・その他
内容説明
大震災から8年、FUKUSHIMAを200点の写真で綴る。
目次
1 「豊かさ」の受難
2 子供たち
3 被曝の大地
著者等紹介
小柴一良[コシバカズヨシ]
1948年大阪府生まれ。1972年西川孟写真事務所に撮影助手として入所。その間、土門拳氏の『古寺巡礼1大和編』『女人高野室生寺』等の撮影助手を務める。1979年、帰阪。この年より企業・自治体のCM、広報写真撮影を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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