出版社内容情報
原発の耐震設計における地震動想定が、いかに不十分か。脱原発弁護団が川内原発の再稼働差し止め裁判で論じている考え方をまとめる。
本書は、原発の耐震設計における最大の問題点──「地震動想定」が、どれだけ不十分なものであるかを解き明かそうとするものです。脱原発弁護団が、全国各地の原発差し止め裁判、なかでも川内原発の再稼働差し止め裁判で論じている、もっともホットな考え方をまとめました。
はじめに
第1章 地震と地震動
1 地震とは何か?
2 断層には、3種類ある
3 アスペリティとは何か?
4 マグニチュードは、地震の規模を示す
5 応力降下量とは何か
6 加速度は、物体が受ける力を表す
7 スペクトルは、地震が波であることを示す
8 固有周期・共振が、地震の揺れの想定では重要
9 短周期レベル
10 応答スペクトルは耐震設計の基本
11 地震現象についての基本的認識(地震学には予測の力はなかった)
12 地震動推定の困難さ
13 ではどうやって地震動の推定をしているのか
第2章 耐震設計は地震動の平均像で行っている
第1 原発の耐震設計の概要
1 原発の耐震設計の流れ
2 「震源を特定して策定する地震動」における地震規模の推定
第2 応答スペクトルに基づく手法
1 耐専スペクトル
2 耐専スペクトルは平均像を求める手法
3 応答スペクトルに基づく手法の出発点は
マグニチュードと震源距離の想定
4 応答スペクトルに基づく手法の詳細
5 応答スペクトルに基づく手法の誤差
(平均像からのかい離の程度)
6 観測値のバラツキの程度
7 標準偏差
8 平均像を基本ケースとした上で「不確かさの考慮」として
電力会社が行っていることは何か
9 電力会社が応答スペクトルに基づく手法の出発点に
松田式を使っていること
10 応答スペクトルに基づく手法の誤差を考慮した地震動評価
第3 断層モデルを用いた手法
1 手法の概要
2 スケーリング則とその誤差
3 入倉レシピと地震調査委員会レシピ(グリーン関数の誤差)
4 入倉レシピ
5 地震調査委員会レシピ
6 入倉発言
7 結論
第3章 震源を特定せず策定する地震動
(2004年留萌支庁南部地震の知見は十分考慮されているのか)
1 新基準の内容
2 2004年留萌支庁南部地震
3 地盤による増幅
4 敷地直下のMw6.5未満の地震は
最大限どこまでの地震動をもたらすか
おわりに
【著者紹介】
内山 成樹
1946年生まれ。1970年東京大学理学部卒業。1980年弁護士登録。
高速増殖炉「もんじゅ」訴訟、原子力船「むつ」訴訟の弁護団に加わる。脱原発裁判として差し止め訴訟の浜岡原発、大間原発、東海第二原発、大飯原発、伊方原発、川内原発の各弁護団に加わり地震問題を担当し、地震動問題を展開する。数少ない理系の弁護士として活躍している。
内容説明
本書は、原発の耐震設計における最大の問題点―「地震動想定」が、どれだけ無意味なものであるかを解き明かそうとするものです。脱原発弁護団が、全国各地の原発差し止め裁判、なかでも川内原発の再稼働差し止め裁判で論じている、もっともホットな考え方をまとめました。
目次
第1章 地震と地震動(地震とは何か?;断層には、3種類ある;アスペリティとは何か? ほか)
第2章 耐震設計は地震動の平均像で行っている(原発の耐震設計の概要;応答スペクトルに基づく手法;断層モデルを用いた手法)
第3章 震源を特定せず策定する地震動(2004年留萌支庁南部地震の知見は十分考慮されているのか)(新基準の内容;2004年留萌支庁南部地震;地盤による増幅 ほか)
著者等紹介
内山成樹[ウチヤマシゲキ]
1946年生まれ。1970年東京大学理学部卒業。1980年弁護士登録。高速増殖炉「もんじゅ」訴訟、原子力船「むつ」訴訟の弁護団に加わる。脱原発裁判として差し止め訴訟の浜岡原発、大間原発、東海第二原発、大飯原発、伊方原発、川内原発の各弁護団に加わり地震問題を担当し、地震動問題を展開する。数少ない理系の弁護士として活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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