出版社内容情報
3.11以来、被災者と支援する人びとの惨事ストレスケアや、心の電話相談を行ってきた精神科医が、しんどさを抱える人々に贈る。
誰でもストレスを受けるのは当たり前、悲しいときは泣けばいい──。3.11以来、被災者とそれを支援する人びとの惨事ストレスケアや、こころの電話相談を行ってきた精神科医が、すべての「しんどさ」を抱える人びとに贈る。こうすれば、人はもっとラクに生きられる。
Prologue
しんどいときには弱音を吐いたっていい
ストレスを感じるのはあたりまえ
いつもと違う自分を認める
日にち薬と時間薬と
時間をかけて適切なケアを
誰からも評価されない
サイコロジカル・ファースト・エイド(PFA)
役に立たない焦り
果てしない業務
一方的な批判や非難
橋下路線狙う首長
継続的なケア体制を
Chapter 1 生きる処方箋
『重い障害を生きるということ』
二極化する診察室
「人はそう思ってしまうもの」と考える
「成功している」ような人も
生の現場があることの幸せ
後悔のない人生などない
合格点は六〇点
Chapter2 「被災地外」について考える
過覚醒と躁的防衛
解離と世界没落体験
間接的なPTSD
共感疲労とサバイバーズ・ギルト
これらの後遺症としての??震災うつ??
放射能恐怖と亀裂
Chapter3 悲しむのは悪いことじゃない
1 なぜいま、悲しみを語るか
大きな喪失と日々の喪失
??アベノミクス景気?∞?成長戦略?≠フ陰で
悲しみを共有する
2 「悲嘆(grief)」とは何か
喪失の対象は人により異なる
正常と病的の境目
DSM改訂の波紋
3 「悲嘆」の研究
フロイトとリンデマン
「悲しみ」や「死」の封印(否認)の時代
キューブラー=ロス「死ぬ瞬間」
アルフォンス・デーケン「死生学」
4 悲嘆研究の限界
悲しみの普遍化
小林秀雄、母の死と蛍
上野正彦「死はナッシング」ではない
悲嘆は科学や研究とはなじまない
悲嘆は医療やケアにもなじまない
デブリーフィングからPFAへ
悲嘆は個別の現象
精神医療の限界
喪失体験の共有
山形孝夫「死者は生きている」
悲嘆のない世界
Epilogue いのちの選別の時代に
単身高齢者時代の到来
遺伝子検査ビジネス
デザイナーベビー
おわりに
【著者紹介】
香山 リカ
1960年北海道生まれ。東京医科大卒。精神科医・立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。専門は精神病理学。
NHKラジオ「香山リカのココロの美容液」でパーソナリティをつとめる。北海道新聞(ふわっとライフ)、中日新聞(香山リカのハート・ナビ)、 毎日新聞(ココロの万華鏡)、創(「こころの時代」解体新書)連載。
著書に『できることを少しずつ 香山リカの目』(毎日新聞社)『女は男のどこを見抜くべきか』(集英社)『若者のホンネ』(朝日新聞出版)『〈私〉の愛国心』(ちくま新書)『プチナショナリズム症候群』(中公新書ラクレ)『チルドレンな日本』(佐高信との共著)『生き抜くこと』(雨宮処凛との共著)『本を読むってけっこういいかも』(以上、七つ森書館)ほか、多数。
内容説明
精神科医・香山リカの生きる処方箋。しんどさを抱えるすべての人へ。
目次
Prologue しんどいときには弱音を吐いたっていい
1 誰からも評価されない
2 生きる処方箋
3 「被災地外」について考える
4 悲しむのは悪いことじゃない
Epilogue いのちの選別の時代に
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。専門は精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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