国家と音楽家

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  • サイズ B6判/ページ数 370p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822813864
  • NDC分類 762.8
  • Cコード C0073

内容説明

ヒトラーに翻弄されたフルトヴェングラーとカラヤン、ムッソリーニに抵抗したトスカニーニ、スターリンに死の寸前まで追い詰められたショスタコーヴィチ―20世紀という戦争と革命の時代、音楽家はいかに国家と対峙したのか。

目次

第1章 独裁者に愛された音楽
第2章 ファシズムと闘った指揮者
第3章 沈黙したチェロ奏者
第4章 占領下の音楽家たち
第5章 大粛清をくぐり抜けた作曲家
第6章 亡命ピアニストの系譜
第7章 プラハの春
第8章 アメリカ大統領が最も恐れた男
エピローグ 禁じられた音楽

著者等紹介

中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「クラシックジャーナル」編集長。膨大な資料から埋もれた史実を発掘し、新たな歴史を構築する執筆スタイルで人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろべると

7
ソビエトをはじめとして、ナチス・ドイツやフランコ独裁のスペインなど、政治に翻弄される芸術家、ここでは音楽家に絞って取り上げられている。体制に迎合する者、断固闘う者、亡命を余儀なくされる者、みな政治の荒波に翻弄された、ある意味での犠牲者である。犠牲者と言えば、ガス室送りになった沢山のユダヤ人音楽家なども忘れてはならない。本書は有名人に絞って事実を淡々と綴っている。あえてドラマチックな描き方はしていないのが、史料的な価値を感じさせる。2022/04/25

1959のコールマン

2
☆3。特に目新しい情報が書いてある訳ではなく、過去の文献を適度にまとめた本、という印象。教科書としては使えるかもしれないが・・・。むしろ、メジャーな音楽家ではなく、全体主義体制国家における一般の音楽家たち、そして聴衆たちを語って欲しかった。文献が少なく、一次資料も集めにくく、取材も困難を極めると思う。が、音楽エリートたちの苦悩を描くよりも、ずっと我々に近い人々がどのように国家と関わり、弾圧、粛正されたかを描く方が共感を呼ぶと思う。エリートはいざとなれば逃げられるが、地べたの人は逃げられないからだ。2019/03/20

M S

2
音楽そのものは政治や権力とは本来関係ないはずだが、権力は音楽を利用し、音楽に政治的な色彩がつくこともある。音楽家もまた同様である。しかし、音楽家は権力に対してあまりにも無力であることも事実だ。2014/01/27

Ecka

1
昨今のロシアにおけるプーチンとロシアの音楽家たちのニュースを見て、これまでの戦時下での音楽家たちの権力者との関わりなど知りたくなり、手に取った本。雑誌に連載されてたとのことで非常に読みやすい文章で、トスカニーニのオペラ改革、アルフレッド・コルトーの多才ぶり、フルトヴェングラーの計算高さ等々、テーマとは直接関係ないクラシック音楽家たちのエピソードも知ることができ面白かった。2022/07/27

ポルポ・ウィズ・バナナ

1
「音楽に政治を持ち込むな」というどうしようもないアホはほっておくとして(本当にどうしようもない)、予想以上に面白い本だった。だからといって音楽は(というか藝術は)政治を動かすことができるか?というとそうではない。しかし、沈黙よりはましだろうと。「ショスタコーヴィチは裕福な家庭ではなかったが音楽院に通うことができた。ソビエト政権は社会主義体制においても優れた藝術・文化が存在することを内外に誇示する必要に迫られ、藝術家の育成には熱心だった」あとやっぱロシアって政治的には欧州ではなくアジアだなあと痛感。2016/08/23

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