目次
第1章 海へ放出された福島第一原発の放射能(海のチェルノブイリ;海への影響について知っておくべきこと)
第2章 放射能がクラゲとやってくる(まず、再処理工場とはどんなものか説明しましょう;再処理工場は、放射能を空気中や海に捨てるのです ほか)
第3章 これからどうなる海と大地(福島県のホッキガイからコバルト60が検出;みんながともに、どう食べ続けていくか ほか)
調査報告 福島第一原発周辺海洋生物の放射能汚染(放射能汚染調査グループ(福島・東京))(調査結果とそれのもつ意味;測定された数値と住民の生活 ほか)
著者等紹介
水口憲哉[ミズグチケンヤ]
1941年中国・大連生まれ。両親の出身地は山形県鶴岡、育ちは東京・新宿。東京海洋大学名誉教授。農学博士。人と魚と水の関係学専攻。1970年より、原子力発電所、火力発電所、ダム建設、ゴルフ場など開発に揺れる全国各地の漁村を行脚し、漁民たちの研究会に数多く参加。地元夷隅東部漁協の組合員となり、最近は外房の漁業の調査を行っている。自宅に資源維持研究所を開設し、漁業を取りまくいろいろな問題への相談に応じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
42
読み友さんの感想を読んで。漁業の専門家による放射能汚染に警鐘を鳴らす本です。著者がデータ分析と各漁業従事者との連携を取り始めたのは1970年代から。何より素晴らしいのは内容が一般の読者にもとても分かりやすいところ。感情的な本よりも説得力があり、学べるものが多かったです。魚市場で働いている家族がいる身だとこの問題はより身近ですが、逃げ場がない私たち全員が真剣に考えるべき負の継承物が放射能汚染だと思います。2023/09/22
更紗蝦
2
著者の水口憲哉氏は、1970年代からずっと、原発による海洋汚染が漁業に与える悪影響について警鐘を鳴らしてきました。(詳しくは『海と魚と原子力発電所』という本を参照。) 水口氏の本で特徴的なのは、「海洋汚染そのもの」だけでなく、「消費者と生産者の関係性」にも言及している点です。消費者が「自分の食べているものがどこでどうやって誰によって獲られて(作られて)いるのか」に無関心であることと、原発のない土地に住んでいる人が原発立地県の事情に無関心であることは、完全に繋がっているということを、思い知らされます。2013/08/10
ロッシ
2
これからどうなるか、気になるのは、海や大地だけではなく、その先にある、人間の経済活動や健康の方だと思います。放射線物質の飛散は、今後の人類にどれだけ悪さするか、計り知れないです。しかし、ここまで依存度を増した原発を急に停止できないことも事実です。では、ゆっくり停止する道はあるのか、それについて、真剣に考えないといけない時代なのかもしれない。将来生まれてくる人と今生きている人のどちらを取るかの選択のようにも思えます。2012/08/05
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