出版社内容情報
「敬愛し、信頼する人たちが、深い闇に抗するように光を放っている」(本文より)。対談の名手サタカが32人のゲストを迎えて繰り広げる珠玉の対談集。
はじめに
第1章 自由を侵す者どもへ
澤地久枝 ニッポン悪党天国
米原万里 国から離れて生きるのが賢い
櫻井よしこ 国民全員に番号を振る発想が恐ろしい
片山善博 行政のクライアントは住民です
中村 哲 憲法をあやふやにするのはおかしい
根本良一 正言は反するがごとし
内橋克人 国家台頭の危うさを知る
天野祐吉 テレビよ! お前が悪い
吉田 司 新帝国主義のなかで
第2章 いま、何を、どう読むか
城山三郎 企業のなかでもの申す
高杉 良 エクセレント・カンパニーの条件
幸田真音 経済小説が照射するもの
関川夏央 本読みの幸・不幸
高山文彦 ノンフィクション作家の“格闘”
姜 ギ東 満ちてくるものの到来を待つ
岡部伊都子 わが心にひびく沖縄
第3章 異性面談
落合恵子 藤沢周平の「しみじみの世界」を語る
大石芳野 「人間の尊厳」に触れる旅を続けて
黒田福美 日韓の「壁」を突き破って
久田 恵 子どもを見る目が変わるとき
杉浦日向子 「江戸」のゆとりに学びたい
都はるみ 50歳! いまの私が好き
みつはしちかこ みんなで食べるごはんのちから
はじめに より
あるメッセージに高見順の『わが埋葬』から「風」という次の詩を引いたのは二十七歳の夏だった。
風がごうごうとうなつている
ごうごうのこの音は
風の音か 木が風に鳴る音か
君は分らぬと言うが
僕は風の苦しみの聲だとよく分る
風は實に苦しんでいる
有るということの苦しさは
生きるということと同じように苦しいのだ
君 今この寂しい夜に目覺めている灯よ
君も今にそれを知るのだ
(「風」『わが埋葬』思潮社)
当時、山形県酒田市の高校の教師をしていた私は、文部省の学習指導要領の伝達講習会への出席を拒否し、組合までが「参加して形骸化を図る」などと言って出席を促す中で、追いつめられていた。しかし、やはり、出席を拒否すると決めて、所属する酒田工業高校分会の人たちに、この詩を入れた「拒否の弁」を配ったのである。
あれから三十年余りになる。あのころも「寂しい夜」と思ったはずなのだが、六十歳を目前にして、その深さはまったく違う。寂しさの闇がより濃いのである。
しかし、当時と違って、いまは「目覚めている灯」理解してほしい。
2003年11月5日
佐高 信
目次
第1章 自由を侵す者どもへ(沢地久枝―ニッポン悪党天国;米原万里―国から離れて生きるのが賢い;桜井よしこ―国民全員に番号を振る発想が恐ろしい ほか)
第2章 いま、何を、どう読むか(城山三郎―企業のなかでもの申す;高杉良―エクセレント・カンパニーの条件;幸田真音―経済小説が照射するもの ほか)
第3章 異性面談(落合恵子―藤沢周平の「しみじみの世界」を語る;大石芳野―「人間の尊厳」に触れる旅を続けて;黒田福美―日韓の「壁」を突き破って ほか)
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。郷里の高校教師、経済誌の編集長を経て、評論家となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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