内容説明
日中戦争のさなか、「近衛声明」に呼応して南京に傀儡政権(1940.3.)を樹立した汪精衛は“漢奸”だったのか。辛亥革命から蒋汪合作政権(1932)に至る彼の行動を精細にたどると、汪精衛が全く別の姿で我々の前に立ち現れる。ともに「孫文の後継者」を自認する蒋介石の宿命のライバル、汪精衛(兆銘)の実像に迫る。
目次
序章 汪精衛研究の現状と新しい視座
第1章 辛亥革命前後の汪精衛はアナキストだったのか?
第2章 辛亥革命前後における汪精衛の国家観
第3章 汪精衛の国際政治観―人類共存の理想
第4章 汪精衛の民主政治論
第5章 汪精衛は改組派の指導者か?
第6章 汪精衛の「約法」論―「党治」から「法治」へ
終章