内容説明
知日派学者が二つの東京五輪(1964年、2020年)のあいだに出会った個性豊かな政治家たちのマル秘話を交えたカーティス版昭和・平成政治史。中曽根康弘インタビューを収録。
目次
第1章 日本のポスト戦後政治
第2章 大統領に近づく日本の首相
第3章 草の根民主主義と政治改革
第4章 日米関係の半世紀
第5章 東日本大震災に日本の政治はどう対処したか
第6章 一九六四年の東京
第7章 二つの東京オリンピック―継続と変化
著者等紹介
カーティス,ジェラルド・L.[カーティス,ジェラルドL.] [Curtis,Gerald L.]
コロンビア大学名誉教授。マンスフィールド財団理事長、日本国際交流センター理事。1940年ニューヨーク生まれ。1962年ニュー・メキシコ大学卒業。1964年コロンビア大学大学院修士課程修了。1969年同大学で博士号取得。コロンビア大学東アジア研究所長を16年間務めた。専門は日本政治。大平正芳記念賞、国際交流基金賞を受賞。旭日重光章受章
村井章子[ムライアキコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まーくん
56
著者は元コロンビア大学東アジア研究所長ジェラルド・カーティス。東京五輪が開催された64年、日本の選挙の実態を研究テーマに、23歳の大学院生として初めて来日。紹介者を得て、中曽根派の佐藤文生候補(大分二区)の選挙運動に密着。以来、現在に至るまで半世紀に及ぶ日本研究に身を投じることに。歴代総理を含む多くの政治家に話を聞く機会を得たが、影響力もない若い外国人学者と思ってか本音であけすけ語ってくれたという。90年代からの政治改革の背景など興味深い話が多かった。日本語の著作『政治と秋刀魚』の増補版と位置づけている。2019/07/03
Mc6ρ助
11
『「カーティスさん、私はいつまでも総理をやるつもりはない。だが総理になったからには、責任は国会に対してあり、自民党に対してあるのではない。総理大臣は私であって、自民党ではない」(p065)』三木武夫、カッコいい。政治において「責任」という言葉はすでに死語となったような気がするが、昔は良かったと思うのは歳をとった証拠・・・。2019/07/19
spike
3
日本現代史を早回しで観ているような気分。ほぼ日本人と同等のメンタリティを持った人だと思うが、やはり折々に「そうか同国人でない視点だとそう見えるのか」と感心させられるところがある。2019/08/26
四號
2
日本という国の政治の話であり、それを見続けてきたアメリカ人学者の物語でもある。名前は覚えているというくらいには時代が近い政治家たちのこぼす言葉が“政治的”なら、東日本大震災の取材時に学者が聞いた言葉もまた“政治的”ではなかろうか。2020/10/04
Masayuki Shimura
2
深い経験と探求に裏付けられた高所からの視点が興味深いことはもちろんなのですが、更に惹きつけられたのは半世紀以上にわたる日本との関わりの中で著者が経験したエピソードの数々。どこでフィールドワークを行うかについて「なまり」を基に中曽根元首相が判断したことや、田中角栄と金丸信の現金の渡し方の違いなどが白眉中の白眉でした。2020/03/25
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