出版社内容情報
「企業と投資家との対話の貴重なケーススタディ。最前線での奮闘の中に生きたヒントが満載。」 伊藤邦雄氏(一橋大学経営管理研究科特任教授) 推薦。
見えない未来を信じ、変革を続ける企業には、株式を活用した資金調達が欠かせない。「株を買ってもらう」ことこそが株式市場との対話の目的と信じ、約12年にわたり、楽天のIR(インベスター・リレーションズ)の看板を背負った実務家の記録であり、物語。
楽天初のIR専任者として著者が転職して3日目、楽天はTBS株取得を発表。取得費用の借金返済のための公募増資(株による資金調達)に巻き込まれ、調達に成功するも半年も経たずにライブドアショックで株価が半分となり、「ひとりIR」で修羅場を経験。
楽天の企業価値創造の仕組みを「楽天経済圏」と名付け、投資家との対話に取り組む著者に、金融事業に否定的な株式市場、震災、東証一部への市場変更などが待ち受ける。
前回公募から9年後、グローバル化した楽天のさらなる挑戦のため、チームで海外・国内の投資家からの資金調達を図る。
特別編として、コーポレートガバナンス・コード策定の起点となった経済産業省の企業報告ラボや、スチュワードシップ研究会でのエピソードを交えた「コーポレートガバナンス・コードと資本コスト」を収録。
「資本にコストがある」とはどのようなことか、企業の経営・財務・IRに従事する者は何を意識すべきか、ガバナンス改革の先にあるものは何か、平易な言葉で問いかける。
著者の視点で綴られるIRという職種の面白さ、難しさ、価値、やりがい。
起業家という生き物、財務上の問題、株式市場とのギャップ、東証、マスコミ、規制の壁。
リアルな描写を通じて、企業と投資家との対話のエッセンスやノウハウを知ることができる。
上場企業や上場を目指す企業の経営者、CFO、IRパーソンにはもちろん、多くのビジネスパーソンや市場関係者にも勧めたい一冊。
巻末付録として「インベスター・リレーションズ(IR)実践ミニ用語事典」を掲載。
内容説明
常識を超える挑戦、増資、ガバナンス。様々な局面で「ひとりIR」時代から12年にわたりマーケットと格闘した筆者が「株を買ってもらえる会社」を目指したIR(インベスター・リレーションズ)の実録。
目次
TBSへの提案と財務危機
ひとりIR
暴落後、反転
楽天の理念と価値創造プロセス
金融事業への毀誉褒貶
東日本大震災と直後の株主総会
一円ストックオプション導入とSR
東証一部上場と楽天イーグルス日本一
ヤフー・ショッピング無料化
IR活動の仕組み化
グローバル・オファリング
著者等紹介
市川祐子[イチカワユウコ]
マーケットリバー株式会社代表取締役社長。1970年生まれ。1993年NEC入社。半導体部門の分社・上場等を担当。2005年楽天入社、IR統括及び財務企画に従事。2016年同社IR部長。2018年アライドアーキテクツ社外取締役(現任)。約15年間にわたり、IR、資金調達及び東証一部上場準備を経験。Institutional Investor誌において2013年より5年連続「Best IR Professionals」Top3にランクイン(セクター別)。経済産業省「企業報告ラボ」企画委員(2012-2017年)、同省「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会(伊藤レポート2.0)」委員(2016-2017年)。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。慶応義塾大学理工学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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