出版社内容情報
本書は、トヨタ生産システムの全体像を描いて世界的なベストセラーとなった『ザ・トヨタウェイ』の著者であるミシガン大学のジェフリー・K・ライカー教授が、リーンコンサルタントのカーリン・ロスと共同で、
トヨタ生産システムのサービス業界への移植の試みを取り上げたものだ。以下は、ライカー教授の日本語版への序文から。
「たとえば、私たちはオンラインショップを利用してワンクリックで書籍やその他の商品が買えるようになった。確かテクノロジーは顧客にとってものごとを容易にしてくれるし、面倒なくやらせてくれる。
実際にそうなってきたことには同意しよう。しかし、テクノロジーの効果は社員のサービスの水準次第なのだ!
顧客が12種類の商品のうちどれを買えばよいのか迷っているとき(最近、カーリンが飼い始めた子猫のための栄養サプリメントが必要になったときのように)、サービス担当係に容易に連絡できなかったり、
その担当員に必要な知識がなかったりすれば、どんなに素晴らしいテクノロジーがあっても、顧客は満足しない。
また、考えてみれば、結局は全てのテクノロジーはコピーできる。ある銀行が小切手の写真を撮ることでそれを口座に預け入れる方法を開発すると、しばらくするとほとんどすべての銀行が
同じか似たようなテクノロジーを提供するようになる。つまり、テクノロジーが将来の差別化の要因になるように思えるかもしれないが、私たちは真の差別化要因は人材だと信じている。
テクノロジーとは異なり、人材はコピーできない! 社員の創造性や創意工夫は継続的に育成すれば(トヨタウェイでの人間性尊重)、それは顧客や会社が今直面している問題を解決し、将来のためによりよい働き方を工夫し、
個々の、生身の顧客を会社に永久につなげてくれる、真の差別化要因になる。」
内容説明
「真の差別化要因は、テクノロジーではなく、人材」「テクノロジーの効果は社員のサービスの水準次第」トヨタ研究の第一人者と著名コンサルタントのコンビによる、卓越したサービス企業をつくるための虎の巻。
目次
プロローグ 経営理念としてのトヨタウェイ
第1章 サービス・エクセレンスとは何か?
第2章 トヨタウェイは進化し続ける
第3章 原則‐1/長期的なシステム思考に基づく理念
第4章 リーンなプロセスをつくる/短いストーリー
第5章 マクロプロセスの原則/リズムのある淀みのない流れをつくり、お客様に高い価値を提供する
著者等紹介
ライカー,ジェフリー・K.[ライカー,ジェフリーK.] [Liker,Jeffrey K.]
ミシガン大学Industrial and Operations Engineering教授、ライカー・リーン・アドバイザーズ社長。新郷賞研究優秀賞を12回受賞。2012年、アメリカAME殿堂入り
ロス,カーリン[ロス,カーリン] [Ross,Karyn]
リーン・コンサルタント。サービス分野におけるビジネス・カルチャーの持続可能な変革に焦点を当てた幹部向けコーチ。ペイチェック、プライムペイ、チューリッヒ生命保険などで問題解決と改善後のビジネス・プラクティスのカルチャー構築を支援
稲垣公夫[イナガキキミオ]
グローバリング代表取締役。東京大学工学部卒業、ミシガン大学工学部大学院修士課程修了。NECアメリカ副社長、ジェイビルサーキットジャパン代表取締役などを経て現職
成沢俊子[ナルサワトシコ]
ピーキューブ代表取締役。トヨタ生産方式のコンサルタント。NEC、金融庁を経て、PEC産業教育センターで改善を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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