内容説明
インドにもイギリスにも居場所を見出せなかった天才数学者ラマヌジャンの生涯!!ケンブリッジで深まる疑心暗鬼。
著者等紹介
レヴィット,デイヴィッド[レヴィット,デイヴィッド][Leavitt,David]
フロリダ大学で教鞭を執り、同大学の文学誌“サブトロピックス”の編集に携わりながら自らも執筆活動。1961年、アメリカのペンシルヴェニア州生まれ、イェール大学出身
柴田裕之[シバタヤスシ]
早稲田大学、Earlham College卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
26
下巻もラマヌジャンではなく、周囲の関係性を描いている。ガートルードの秘密を知ってからのアリスの態度の変化には女の関係あるある過ぎて思わず、失笑せざるを得ない。そしてガートルードの兄しか愛さなかった母の介護場面がやけに印象的。しかし、ハーディって見方が違えば、自己中ともサイコパスとも取られる書き方をされているんですよね・・・。関係者の子孫はこの本を読んで怒らないかしらと不安にならざるを得ない。しかし、ラマヌジャンが夭逝した理由がまさか、食の戒律による栄養失調と英国の気候だったとは・・・。2016/12/30
みつ
12
下巻に入ってラマヌジャンのエピソードはますます希薄になっていく。この小説での彼の位置付けは、同性愛者にして無神論者、さらには大戦下の時局においてある種の戦争忌避者であったハーディが時代を回想する中の一挿話である。それだけに、高度合成数や分割数を巡り彼をも上回る大きな数の回答を導き出した(p38)マクマホン少佐とのその後の関わり、「この100年で最も偉大な数学者、ことによると、この500年で、かもしれない」(p216)とハーディが評した彼の数式のいくつか(自分に理解はできないだろうが)に触れてほしかった。2021/09/25
onaka
5
ハーディによって見出されケンブリッジに招かれた数学の天才ラマヌジャンを中心とした人間関係が淡々と描かれる。抽象世界という虚構の中に生きる数学者たちにも日常や非日常があった。嫉妬、裏切り、不倫、同性愛、戦争、死、、、そして、そこに放り込まれた異邦人の苦悩と挫折。実在人物をメインキャラクターとした小説として読むべし。ラマヌジャンの学問上の功績に関心のある人にはおすすめできない。2010/06/13
EnJoeToh
3
胸の引き裂かれるような。2009/10/17
よしあ
2
本書は「有名、無名、実在、架空の人物、果ては亡霊まで」出てくる話でした。この大部の著書は、創作だったのか…という徒労感。あまり合わなかった。2025/04/13