出版社内容情報
弱体化が進む日本スポーツ界に未来はあるのか。スポーツを巡る日本の現状と課題、そして解決の糸口を「経済的観点」から分析。
新国立競技場のデザイン、建設費を巡る騒動の最中、東京五輪開催後に「新国立ジャイアンツ球場」として活用する案が浮上した。読売新聞グループが全面バックアップするも、永田町の主流派が猛反発、最終的に潰された。
経済合理性を無視してまで、新国立競技場を「国家のシンボル」に据える理由は何なのか。背景を探ると、そこには「国立競技場」に対して日本人が戦前から連綿と抱いてきたある想いがあった。
日本のスポーツ界は戦前から、「金もうけは卑しい」という価値観に囚われている。慈善事業として開催される甲子園や、観客に背を向け独自の哲学を貫く全日本柔道連盟。内紛を繰り返すスポーツ団体や採算度外視で赤字を垂れ流すスポーツスタジアムが、日本各地に点在する。米国スポーツ市場が約60兆円に成長したのに対し、日本はその20分の1の約3兆円しかない。稼げなければ、現役選手を鍛えることも、次世代の選手を発掘することもできないにも関わらず、である。
「日本のスポーツ界はいまだ戦時下にあり」????。経済記者が正面から取材をして見えてきたのは、時代錯誤のまま身動きが取れずにいる日本のスポーツ界だった。弱体化が進む市場に未来はあるのか。スポーツを巡る日本の現状と課題、そして解決の糸口を「経済的観点」から分析したルポルタージュ。
【1章】国家の“喜劇”
破綻の序曲/14人の重鎮たち/「困ってしまった」ザハ設計事務所/「皆で考えればいい」、JSCトップの甘い認識/“徹頭徹尾”リーダー不在/安藤忠雄の軽いノリ/国家神道の残像/新国立だけじゃない、ずさんな整備計画
【2章】遠き金メダル
甲子園200年分の売り上げ/天皇が引き出した柔道家の本音/青山霊園で黙祷捧げる4人の老人/為末大が予言、「競技団体の半数は破綻する」/村社会で権力闘争に明け暮れる/川淵三郎の処方箋/五輪メダルは“カネで買う”
【3章】戦争の残滓
汚職政治家が残した借金/丘陵地に出現した巨大スポーツ施設群/地元潤す集客マシン/21世紀の「軍国主義」/殺風景な「都市公園」/皆ハッピーになれるフットボール場/ヤンキース、本拠地一新で急成長
【4章】夜明け前
チーム1:羽生と浅田がフィギュア界にもたらす「富」
チーム2:「20億円の男」が目撃した広島カープの変貌
チーム3:トライアスロン、補助金ゼロをバネに飛躍
チーム4:バスケ界で人気断トツ、琉球キングス
チーム5:悲喜こもごも、春季キャンプで潤う沖縄
内容説明
これから、さまざまな時代と場所を行き来する。古くは明治日本を訪れ、遠くは世界最大のスポーツ市場・米国に足を運ぶ。そこから見えたのは2020年五輪を控えた日本スポーツ界のアナクロニズムだった―。経済記者が警鐘。日本のスポーツ界は、いまだ戦時下にあり。
目次
プロローグ
第1章 国家の“喜劇”(破綻の序曲;14人の重鎮たち ほか)
第2章 遠き金メダル(甲子園200年分の売り上げ;天皇が引き出した柔道家の本音 ほか)
第3章 戦争の残滓(汚職政治家が残した借金;丘陵地に出現した巨大スポーツ施設群 ほか)
第4章 夜明け前(羽生と浅田がフィギュア界にもたらす「富」;「20億円の男」が目撃した広島カープの変貌 ほか)
著者等紹介
吉野次郎[ヨシノジロウ]
日経ビジネス記者(日本経済新聞社に出向中)。慶応義塾大学環境情報学部を卒業。1996年、日経BPに入社。「日経コミュニケーション」編集部で通信業界を、「日経ニューメディア」編集部で放送業界を取材する。2007年から「日経ビジネス」編集部で電機業界、自動車業界、経済事件を担当。2015年4月に日本経済新聞社に出向。電子編集部を経て、2015年10月から企業報道部に所属。サイバーセキュリティーなどを取材する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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