超・反知性主義入門

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超・反知性主義入門

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822279288
  • NDC分類 304
  • Cコード C0030

出版社内容情報

ニュースやネットの流行を題材に、日本流の「反知性主義」をあぶり出してきた「NBオンライン」好評連載中のコラムを加筆編集

他人の足を引っ張って、何事かを為した気になる人々が、世の中を席巻しつつある…。

安倍政権の政策から教育改革、甲子園、ニッポン万歳コンテンツにリニアまで、最近のニュースやネットの流行を題材に、日本流の「反知性主義」をあぶり出してきた「日経ビジネスオンライン」好評連載中のコラムが、大幅な加筆編集を加えて本になりました。

さらに『反知性主義 アメリカを動かす熱病の正体』の著者、森本あんり・国際基督教大学副学長との、「日本の『宗教』と『反知性主義』」をテーマにした2万字対談も新たに収録。

リンチまがいの炎上騒動、他人の行動を「自己責任」と切り捨てる態度、「本当のことなんだから仕方ない」という開き直り。どれにも腹が立つけれど、どう怒ればいいのか分からない。日本に漂う変な空気に辟易としている方に、こうした人々の行動原理が、最近のニュースの実例付きで、すぱっと分かります。

エッセイ集として、日本の「反知性主義」の超・入門本として、お楽しみ下さい。


超・反知性主義01:生贄指向
「選ばれたんだから諦めて、醜態を見せなさい」

 謝罪はなんだか葬式に似ている。要求されているのは、死因の解明ではない。
 世間が求めているのは、死を悼み、線香をあげるための「場」だ。
 溜飲低下装置としてのテレビ/僭称するは我にあり/
 野次馬に小突き回され知事困る/3月の横断幕の向こうに/
 品質管理思想としての「命の教育」/言論の自殺幇助について

超・反知性主義02:絆指向
「みんなで咲いて、一緒に散ろうね」

 サル山で生まれ育った人間は、アメとムチでしか動かなくなる。
 でも、それは、サル山のせいであって、人のせいではない。
 世界がサル山に見える人々/クジラの凱歌/
 女子マネはおにぎりを握るべきか/選挙事務所の向こうの甲子園/
 ユーモアの大半はクズである

超・反知性主義03:本音指向
「ホントのことを言っているんだから仕方ないだろ? 」

 われわれの暮らしている共同体は、「要するに◯◯ってこった」的な、
 捨て鉢な結論を提示する人間にリーダーシップを委ねがちになっている。
 美しきニッポンの本音/「ネタ動画」は全てを越える/
 絶賛コンテンツはなぜ増えるのか/さらば、沈黙の俳優/
 病室の窓から眺める“現実”

超・反知性主義04:非情指向
「だって、ちゃんとチャンスはあげたよね」

 「ローカル」にとどまるものは、劣っているからではない。
 独自で、文化的で、翻訳困難で、換金性が低いからだ。
 人権はフルスペックで当たり前/大学に行く理由/
 万能兵器としての「環境」/お花畑は沈黙すべきか/
 勇気と蛮勇と自己責任/日本代表監督に譲れない条件

超・反知性主義05:功利指向
「それって、どういう意味があるからやってるの? 」

 文章は、楽しむために読むものだ。
 何か役に立つことを取り入れるために本を読むみたいな態度は、
 人としてあさましいマナーだと思う。
 学力を精密に測定する(無)意味/統一球でビーンボールを投げるな/
 時速500キロの「直線的な夢」/無意味で、だからこそ偉大な/
 貝殻が鳴らす音楽

対談:日本の「宗教」と「反知性主義」
国際基督教大学副学長・森本あんり氏を迎えて

目次

01 生贄指向―「選ばれたんだから諦めて、醜態を見せさない」
02 絆指向―「みんなで咲いて、一緒に散ろうね」
03 本音指向―「ホントのことを言っているんだから仕方ないだろ?」
04 非情指向―「だって、ちゃんとチャンスはあげたよね」
05 功利指向―「それって、どういう意味があるからやってるの?」
対談 日本の「宗教」と「反知性主義」―国際基督教大学副学長・森本あんり氏を迎えて

著者等紹介

小田嶋隆[オダジマタカシ]
コラムニスト。1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学教育学部卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、88年『わが心はICにあらず』(光文社文庫)が人気に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

79
現代社会の「常識」を斜めから切り込み引っかきまわす引きこもり系コラムニストとして活躍しているのが小田嶋隆さんらしいが、一つのことに対してもった疑問や不条理を自身の観点から書くうまさ、おもしろさは勉強になる。2017/08/07

ネギっ子gen

50
小田嶋隆氏を偲ぶには、この本――。これって、「日経ビジネスオンライン」に連載されていたんですよねぇ(と暫し懐古に耽る……)。巻末に、<オダジマの小中高の12年間にわたる同級生>である、森本あんり先生との対談も。最初は「反知性主義」から話し出すが、途中で森本先生が、「小田嶋がかまわなければ聞きたい、アルコール依存症からどうやって抜けたの」と話を向けると、そのことについて本まで書いている小田嶋氏は、構わないどころか、滔々と語りだす。「実は、酒をやめたことについては、苦しかったとかあまり思ったことがない」と。⇒2022/06/26

壱萬弐仟縁

37
大切なのは、反知性主義という字面から日本人が類推するニュアンスが、人の心をとらえているという事実(3頁)。大切なのは、謝罪の絵姿。これを脳裏に焼き付けて初めて、世間は、責任、真相を追及する気持ちを和らげる方向に歩みはじめる(16頁~)。道路交通法において、速度超過の問題がある(23頁~)。アンリトン・ルールで、50キロ制限では10キロオーヴァーで走っても行政側は検挙しない。ある程度速度超過を侵すことを織り込んで規制を設定。あえて10キロ下げておく(24頁)。2015/11/24

阿部義彦

23
コラムニスト小田嶋隆さんが、日経オンラインにて連載されたのを再構成したものの書籍化。極めてバランス感覚の良い書き手だと今回痛感しました。→この程度の事件に「会見」をセッティングすること自体が、「報道」の内実の変化を証明してる訳で、速い話メディアは、私刑を商業化しつつあるのだ。会見は公開処刑のニュアンスを含んでいる。Orでも、私に言わせれば、登録無料のウェブマガジンの中に「答え」が書かれていると思っている時点で、その人はビジネスパーソンとしてほぼ使いものにならない。etc9/24に初版でもう再販売れてます。2015/11/21

マル

15
本書は「日経ビジネスオンライン」上で連載している「小田嶋隆のア・ピース・オブ・警句」という連載コラムからいくつかピックアップしたものをまとめたものです。ちなみに、A piece of cake(ケーキ一切れ)は、朝飯前とか簡単なこと、愉快なことという意味だそうです。毎週一つの時事ネタを取り上げ、小田嶋さんの鋭い言葉使いで、まるで1ホールのケーキを小さく切り分けるように丁寧に、そのネタの背景まで説明してくれております!小田嶋さんはまさに“コラムニスト”という表現がぴったりの方だと思います。(続く)2016/01/21

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