出版社内容情報
ニュースやネットの流行を題材に、日本流の「反知性主義」をあぶり出してきた「NBオンライン」好評連載中のコラムを加筆編集
他人の足を引っ張って、何事かを為した気になる人々が、世の中を席巻しつつある…。
安倍政権の政策から教育改革、甲子園、ニッポン万歳コンテンツにリニアまで、最近のニュースやネットの流行を題材に、日本流の「反知性主義」をあぶり出してきた「日経ビジネスオンライン」好評連載中のコラムが、大幅な加筆編集を加えて本になりました。
さらに『反知性主義 アメリカを動かす熱病の正体』の著者、森本あんり・国際基督教大学副学長との、「日本の『宗教』と『反知性主義』」をテーマにした2万字対談も新たに収録。
リンチまがいの炎上騒動、他人の行動を「自己責任」と切り捨てる態度、「本当のことなんだから仕方ない」という開き直り。どれにも腹が立つけれど、どう怒ればいいのか分からない。日本に漂う変な空気に辟易としている方に、こうした人々の行動原理が、最近のニュースの実例付きで、すぱっと分かります。
エッセイ集として、日本の「反知性主義」の超・入門本として、お楽しみ下さい。
超・反知性主義01:生贄指向
「選ばれたんだから諦めて、醜態を見せなさい」
謝罪はなんだか葬式に似ている。要求されているのは、死因の解明ではない。
世間が求めているのは、死を悼み、線香をあげるための「場」だ。
溜飲低下装置としてのテレビ/僭称するは我にあり/
野次馬に小突き回され知事困る/3月の横断幕の向こうに/
品質管理思想としての「命の教育」/言論の自殺幇助について
超・反知性主義02:絆指向
「みんなで咲いて、一緒に散ろうね」
サル山で生まれ育った人間は、アメとムチでしか動かなくなる。
でも、それは、サル山のせいであって、人のせいではない。
世界がサル山に見える人々/クジラの凱歌/
女子マネはおにぎりを握るべきか/選挙事務所の向こうの甲子園/
ユーモアの大半はクズである
超・反知性主義03:本音指向
「ホントのことを言っているんだから仕方ないだろ? 」
われわれの暮らしている共同体は、「要するに◯◯ってこった」的な、
捨て鉢な結論を提示する人間にリーダーシップを委ねがちになっている。
美しきニッポンの本音/「ネタ動画」は全てを越える/
絶賛コンテンツはなぜ増えるのか/さらば、沈黙の俳優/
病室の窓から眺める“現実”
超・反知性主義04:非情指向
「だって、ちゃんとチャンスはあげたよね」
「ローカル」にとどまるものは、劣っているからではない。
独自で、文化的で、翻訳困難で、換金性が低いからだ。
人権はフルスペックで当たり前/大学に行く理由/
万能兵器としての「環境」/お花畑は沈黙すべきか/
勇気と蛮勇と自己責任/日本代表監督に譲れない条件
超・反知性主義05:功利指向
「それって、どういう意味があるからやってるの? 」
文章は、楽しむために読むものだ。
何か役に立つことを取り入れるために本を読むみたいな態度は、
人としてあさましいマナーだと思う。
学力を精密に測定する(無)意味/統一球でビーンボールを投げるな/
時速500キロの「直線的な夢」/無意味で、だからこそ偉大な/
貝殻が鳴らす音楽
対談:日本の「宗教」と「反知性主義」
国際基督教大学副学長・森本あんり氏を迎えて
目次
01 生贄指向―「選ばれたんだから諦めて、醜態を見せさない」
02 絆指向―「みんなで咲いて、一緒に散ろうね」
03 本音指向―「ホントのことを言っているんだから仕方ないだろ?」
04 非情指向―「だって、ちゃんとチャンスはあげたよね」
05 功利指向―「それって、どういう意味があるからやってるの?」
対談 日本の「宗教」と「反知性主義」―国際基督教大学副学長・森本あんり氏を迎えて
著者等紹介
小田嶋隆[オダジマタカシ]
コラムニスト。1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学教育学部卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、88年『わが心はICにあらず』(光文社文庫)が人気に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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マエダ
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壱萬弐仟縁
阿部義彦
マル