出版社内容情報
未来予測、渾身の新シリーズ
「使える」テクノロジー・ロードマップとは?
「未来のニーズ」が技術の行方を決める。
本レポートのコンセプトは、「使えるテクノロジー(技術)・ロードマップ」です。一般的によくあるテクノロジー・ロードマップは、技術を起点にそれが進化していく「技術計画」を時系列的に示すものでした。製品に応用する場合もその技術の積み上げになり、出来た製品や技術が市場に受け入れられるかどうかの議論が抜け落ちていました。このため、本当にその方向で良いのか、過不足はないのか、といった技術開発の方向性や参入・撤退を決める際の判断材料にはなりにくく、経営層にとっても利用価値が見いだしにくい(使いにくい)ものとなっていました。
今回は、そのような従来のテクノロジー・ロードマップとは、アプローチが全く異なります。まず「市場の将来像」を描き、市場ニーズに合わせた商品機能を定義し、その機能を実現するための技術にブレークダウンしていく(市場→商品→技術)という流れとなっています。かつてのように誰もが効率性や利便性を求めていた時代から、今や多様な価値観を持つ時代となり、企業が競争優位性を発揮するためには、まだ見えていない潜在的なニーズを先取りすることが求められます。そのプロセスを具現化するのが、市場を起点にしたアプローチというわけです。
ただ、世の中には、市場を起点に技術につなぐロードマップは見当たりません。今回はそこを狙いました。自動車、エネルギー、医療・健康、エレクトロニクス、情報通信、ネット・サービス、農業・食品工業、建築・土木、社会インフラ、航空宇宙・海洋開発など各分野でイノベーションを起こす合計90テーマを選定し、今後10年間(2014~2023年)を見通した市場→商品→技術の流れをロードマップ図とともに解説します。
本レポートは、主に技術系企業の中長期的な事業戦略、技術開発戦略を策定する際の参考資料に使っていただくことを想定しました。本レポートを基に各企業の強みを生かした独自のロードマップに落とし込み、“技術で勝ってビジネスでも勝つ”企業を目指していただければと存じます。