3億人の中国農民工 食いつめものブルース

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3億人の中国農民工 食いつめものブルース

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822258559
  • NDC分類 611.91
  • Cコード C0095

出版社内容情報

貧しくても、学歴がなくても、田舎者でも、希望を胸に生きてきた。
けれど、繁栄から取り残された――。
磐石の習近平政権を、絶望した3億人の農民工たちが揺さぶろうとしている。
これは、今まで誰も描くことのなかった、『中国版ヒルビリー・エレジー』だ

内容説明

貧しくても、学歴がなくても、田舎者でも、希望を胸に生きてきた。けれど繁栄から取り残された。習近平体制を揺さぶる、怒れる農民工たちのノンフィクション。中国版ヒルビリー・エレジー。

目次

プロローグ 食いつめもの
1章 希望(五輪・万博)
2章 爆買いとPM2.5
3章 異変
4章 夢の国と夢の死(ディズニー)
5章 彷徨
6章 初めての海
エピローグ 農民工たちはどこへ行くのか

著者等紹介

山田泰司[ヤマダヤスジ]
ノンフィクションライター。1988~90年中国山西大学・北京大学留学。1992年東洋大学文学部中国哲学文学科中退。1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年上海に拠点を移し、中国国有雑誌「美化生活」編集、月刊誌「CHAI」編集長を経てフリー。EMS情報メディアの編集も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shintaro

70
上海に長く住み、中国人の懐に飛び込んだ山田泰司の渾身のルポルタージュ。中国人は生まれながらに農民戸籍か都市戸籍かいずれかの身分を持つ。13億人分の食料を生産するための必要悪だった。経済成長に伴い都市の労働力が不足するに至り、鄧小平は農民の出稼ぎを認めた。これが農民工である。農民工は上海など大都市の3K労働に従事した。中国の経済成長を支えた彼らは中国のヒルビリーである。近年、家賃や物価の上昇、失業、賃下げなどで彼らの生活が立ち行かなくなっていると山田は言う。彼らがせめて3食食べてゆけるのを祈るばかりである。2017/12/26

メルル

26
中国の低所得層である農民工の暮らし向き。著者の目線が農民工の方々にとても近く、本当の中国を知ることができる本だと思った。富裕層の話題が多くなっているが、まだまだ貧困に喘ぐ人々がたくさんいる。富裕層の裏では、搾取され安い賃金で働き、棲む家もままならない酷い状態が蔓延している。その様子はかなりショッキングだった。その反面、到底考えられないほどの力強さを感じた日本人とはかなり違う考え方にも驚く。成るように成るという受け身のような雰囲気も漂う。お金の使い方も不思議な面があった。興味深く面白い本だった。2017/12/12

こなつ

25
2017年現在で国民の半数以上を占める中国の農民工の人口。農民工の上海での実際の生活が記されているのだけど、中国の実態は凄まじいものがあるなとびっくりする。農民工の夫婦は子供達が学校に行けるように自分たちは廃墟で住み節約して生きる。都会人との差に決して愚痴をこぼさないし、仕方ないと達観している。そういった農民工に支えられて都市が成長出来たけど、現在の都市は農民工を受け容れる余地がなく彼らを地方へ追い出そうとしているとのこと。強いものには逆らえない世界かあ。。。2018/12/25

みねたか@

24
2009年末上海の人口約1900万人うち外来人口660万人の多くは地方出身の農民工。大部屋暮らし,中には廃墟や地下で暮らす者も。都市の浄化策等により彼らの「いつかはこの環境が改善される」という希望が失われつつあるという。「行き場をなくした食い詰め者が奔流となり暴れ狂った歴史」の再現に向かうのか?クルーズ船で訪日する人々の背後にある富の偏在と格差。しかし,農民工自身も格差是正より自らの利益の最大化に重きを置く強かさ。社会全体が躍動する中国から目が離せない。2018/10/17

テイネハイランド

19
図書館本。著者は90年代から中国に在住し、現地情報を伝えるフリーランスのライター。本書は、日経ビジネスオンラインに投稿してきた記事を基にしたルポルタージュです。「成長する中国において、貧富の差が問題だ」ということは今まで漠然と知っていましたが、こうやって「農民工」に取材しそこに焦点を当てた本を読むと、それがわが身にせまってくる感があってとても読みごたえがありました。「農民工」に対する目線がとてもやさしく、それでいて彼らのしたたかな面にも目を向けており、取材対象との距離もとれているいい本だと感じました。2018/02/12

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