出版社内容情報
すべてのマネジャー、経営者に捧ぐ
7年の単独取材で強さの本質を書き切った巨編ノンフィクション
内容説明
「アメリカに負けない国産車を作る」トヨタの創業者・豊田喜一郎の志は戦争にも挫けなかった。戦後、喜一郎は取締役の豊田英二に命じる。「3年でアメリカに追いつけ」英二は機械工場長の大野耐一を呼び、新しい生産システムの確立に取り組む。資材も物資も乏しい中、彼らの武器は「自動化」と「ジャスト・イン・タイム」という知恵のみ…。しかし、その2本の柱に支えられた独自の「トヨタ生産方式」はやがてアメリカを、世界を席巻する。7年の単独取材で強さの本質を描き切った、巨編ノンフィクション。
目次
プロローグ ケンタッキーの名物
自動車会社ができるまで
戦争中のトヨタ
敗戦からのスタート
改革の始まり
倒産寸前
かんばん
意識の改革
クラウン発売
7つのムダ
カローラの年
規制とショックと
誤解と評価と
アメリカ進出
現地生産
リアリストたち
トラックに乗り込んだ男
21世紀のトヨタ生産方式
未来
誇り
著者等紹介
野地秩嘉[ノジツネヨシ]
ノンフィクション作家。1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経て現職。人物ルポリタージュ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バイクやろうpart2
40
野地秩嘉さん作品一作目です。帯の豊田章男社長さんの前向きなメッセージに、直ぐに手にしてしまいました。目に見えるトヨタしか知らない私には驚きの連続でした。危機感こそが今のトヨタの原動力と感じました。『トヨタ生産方式』『かんばん方式』.『ジャスト イン タイム』知っているつもりが、まだまだ奥が深いこと知りました。解説も、これからの自動車の方向性、あり方を語られてます。自動車産業に関与しながら、あまりに激動する様に踊らされている自分が居ましたが、少し視界良好になりました。いい本に出会え良かったです。 2021/12/30
toshi
14
日本を代表するグローバル企業のトヨタの生産技術に関して書かれた本。 トヨタに関する書籍は数多あり、その中には良く書かれていないものも多い。「絶望セールス」なんか読むと、どうしようもない会社と思わせる。それに対してこの本は思いっきり好意的に書かれている。 本田宗一郎や井深大だと開発物語となるところだろうけど、豊田喜一郎も彼らに負けないエンジニアでありながら、乗用車の完成前に亡くなったせいか、開発に関してはあまり読んだことが無い。この本もそのあたりにはちょっと触れてるだけで、メーンテーマはその生産システム。2018/02/20
たー
12
トヨタに興味がある人には良いかと。2018/01/29
ハゲおやじ
10
なかなか読み進められなかった。文庫本派の私にとって、この厚さ/重さ/価格には驚きであった。内容は、大きな会社は”一日にして成らず”で成功している様に見えても 常に危機に対応している事が書かれている。嫌がられる仕事を黙々とこなしている方々には頭が下がる(もっと評価されても良いのにね)。勉強にはなったが、私の読書分野では無い事もわかった。関連企業の方々は、ある意味イヤイヤ読まされているのかなぁ…。さあ、次は私の読書分野に走ろうっと。2018/03/05
リュウジ
6
★5 当然、最初からこれほど巨大な世界企業ではない。 豊田自動織機からベンチャーとして自動車製造をスタートさせたトヨタが、いかにして世界のトヨタへと成長していったのか。その道程をトヨタを語るうえでは外せない「トヨタ生産方式」を中心に据え、野地さんらしいお話の組み立てで物語っていく。ホント、時に倒産の危機もあったことは知らず。そしてこんなに泥臭い企業だとは思わなかった。特に戦後「ビッグ3」に飲み込まれないためにトヨタは何をどうすべきか、知恵を振り絞る様を読むと、本当に日本にトヨタがあってよかったと思った。 2018/07/07