内容説明
安全保障の専門家としてケネディ政権、ジョンソン政権下でベトナム戦争終結に向けて秘密和平交渉に関与。ニクソン政権発足と同時に国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名される1968年までの激動の日々を描く。
目次
第3部 BOOK3(教授と政策;柔軟反応戦略;人生のつらい現実 ほか)
第4部 BOOK4(ベトナムへの道;おとなしくないアメリカ人;風にもてあそばれる塵芥のように)
第5部 BOOK5(アンチ・ビスマルク;ハノイを待ちながら;一九六八年 ほか)
自己形成の物語
著者等紹介
ファーガソン,ニーアル[ファーガソン,ニーアル] [Ferguson,Niall]
歴史家。スタンフォード大学フーヴァー研究所シニアフェロー、オックスフォード大学ジーザスカレッジのシニアリサーチ・フェロー。元ハーバード大学教授。1964年、英国グラスゴー生まれ。2004年にタイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
31
ロックフェラーNY知事やケネディ大統領の顧問となり、ついにニクソン政権の国家安全保障担当大統領補佐官になるまでが描かれる第2巻。とはいえ本巻は、ベトナム戦争に多くのページが割かれている。アメリカがそうであったように、キッシンジャーもまた、ベトナムという泥沼に足を絡め取られていく。ただ、著者のファーガソンが終章で言うように、本書がキッシンジャーの自己形成の物語であるとするならば、ベトナムでの体験もその後のキッシンジャーを形成する重要な出来事となるのだ。(つづく)2019/06/28
BLACK無糖好き
23
原著は2015年刊。キッシンジャーが1968年に、当時のニクソン大統領から国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名されるまでの半生を辿る評伝。キッシンジャーの自己形成過程が描かれる点は非常に興味深い。冷戦期の物は、なるべく現代の感覚を一端脇に置いて当時の時代背景を念頭に置いて読み進めるようにしているが、読んでるうちに昨今のアメリカの安全保障政策の混迷さが頭をよぎり余計に疲れる。特にキッシンジャーが直面したベトナム問題に関するアメリカ政府の意思決定プロセスの欠陥は、現代の感覚にも近いものがありそうだ。2020/01/05
健
14
内容をもっと理解したくて、図書館に返さずに再読。二度目だけど更に面白かった。キッシンジャーの前半生とベルリン危機、キューバ危機、ベトナム戦争の泥沼化がオーバーラップして興味が尽きない。米国政府の判断の甘さについてキッシンジャーが批判を展開する。ところが、政治判断の全てが表に見えている訳では無いことも描かれ、理想主義と現実主義の狭間で高度な政治判断とはどのようなものなのか、著者の考察も進んでいく。ケネディ、フルシチョフ、ドゴール、ジョンソンの政治判断も描かれ、解答の見えない国際政治の神髄に触れる感じだった。2024/04/09
健
12
面白かった。ニクソン政権の大統領補佐官になるまでの前半生。ベルリン危機やキューバ危機、ベトナム戦争を政権の外から批評したり、支援したりしている。ベトナムには直接赴き精力的に現地視察を行い、複数あった北ベトナムとの秘密交渉の一つを推し進めることもしている。本著では並行して米国政府内のゴタゴタ振りも描かれており、パクスアメリカーナと言われた政府の内実も分かる。結局、大統領はスーパーマンではないという事だ。キッシンジャーはカントを研究したこともあるそうで、引用された文章が難しかった。再読したい気がする。2024/03/15
Jack Amano
7
かなり長い本ですが、2巻本の2冊目のこちらの方が1よりもずっと面白いです。キッシンジャー氏が政治に関わり始めたころからの話なので、臨場感もあります。ニーアル・ファーガソンという著名歴史家の手による評伝であり、キッシンジャー氏公認ということもあり、これまでにはない非常に深い内容だったと思います。キッシンジャー氏には批判的な人も多いが、個人的には信奉していることもあり、かなり勉強になった。氏公認とはいえ、賛美ばかりしている訳ではなく、公平に評価しているようにも見えます。氏もファーガソン氏も好きなので外せません2023/05/23
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