キッシンジャー超交渉術

電子版価格
¥2,420
  • 電子版あり

キッシンジャー超交渉術

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 408p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784822255831
  • NDC分類 361.3
  • Cコード C0034

出版社内容情報

キッシンジャーの「戦略的交渉術」を徹底分析した初の本

「世界最高のネゴシエーターは誰か?」
 この質問を1375大学の国際関係学に携わる1615人の学者にしたところ、最も多くの支持を集めたのがヘンリー・キッシンジャーでした。辛口の作家のウォルター・アイザックソンでさえ、キッシンジャーを「20世紀で最も重要なアメリカの交渉者」と評価しています。
ネゴシエーターとしてのキッシンジャーの輝かしい実績は、誰も否定できません。東西冷戦下、世界が憎悪に満ちあふれ、一触即発だった時代、キッシンジャーは中国、中東、ソビエトと、一見不可能に思えるような交渉をいくつもまとめてきました。
 90歳代の今でも、キッシンジャーは外交の重鎮として活躍し、バラク・オバマからドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、アンゲラ・メルケル、習近平まで、多岐にわたる世界の指導者から意見を求められています。
 キッシンジャーがどんな活動をしてきたかは自身の伝記や他の研究者・作家が、これまで数々の作品を世に送り出しています。ところが驚くべきことに、キッシンジャーの交渉術に関しては、これまで詳しく分析されてきませんでした。

 著者3人は、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ケネディスクール、ハーバード・ロースクールの教授で、交渉の専門家・研究者。ハーバードを代表する三つの大学院の英知を結集して、キッシンジャーの交渉を徹底分析し、エッセンスを抽出したのが本書です。キッシンジャーは本書に自ら序文を寄せただけでなく、長時間にわたるインタビュー取材に全面的に協力しました。外交政策や政治に関心のある読者だけでなく、交渉に関わっているあらゆる職種に役立つ内容になっています。
 パワフルで視野が広く、目的からぶれず、粘り強く、硬軟使い分け、一見関係のなさそうな状況に活路を見いだしてゲームの流れを変えたり、時に隠密行動や嘘を器用に使いこなすキッシンジャーの交渉アプローチは、政治やビジネス、日常生活でタフな交渉をしなければならない人々に、大変参考になります。

パート1 キッシンジャーはどのように交渉したか
     ―― 南部アフリカの忘れられた事例

第1章 交渉戦略を練る 
第2章 戦略から実行へ 
第3章 南部アフリカ作戦の成果と巧みな交渉に学ぶ

パート2 ズームアウト

第4章 戦略 ―― 広い視野からの交渉 
第5章 現実主義 ―― 合意・不合意のバランスを調べる 
第6章 ゲームを変える ―― 合意・不合意のバランスを形成する
第7章 多国間交渉の難しさ ―― 複雑な交渉を組み合わせる 

パート3 ズームイン

第8章 キッシンジャーの対人アプローチと戦術
第9章 交渉相手の心を読む
第10章 親密さとつながり
第11章 提案、譲歩、建設的曖昧さ
第12章 粘り強さ、勢い、シャトル外交
第13章 秘密主義、集中管理、個人プレー
最終章 ヘンリー・キッシンジャーの交渉術の核心

まとめ 交渉者キッシンジャーからの重要な教訓

解説 キッシンジャーの交渉術から日本人が学ぶべきこと
    田村次朗(慶應義塾大学法学部教授、交渉学協会理事長)

ジェームズ・K・セベニウス[ジェームズケーセベニウス]
著・文・その他

R・ニコラス・バーンズ[アールニコラスバーンズ]
著・文・その他

ロバート・H・ムヌーキン[ロバートエイチムヌーキン]
著・文・その他

ヘンリー・キッシンジャー[ヘンリーキッシンジャー]
著・文・その他

野中 香方子[ノナカキョウコ]
翻訳

内容説明

ビジネス交渉、外交、裁判に活用できる「史上最高の交渉者」の奥義に学ぶ。

目次

1 キッシンジャーはどのように交渉したか―南部アフリカの忘れられた事例(交渉戦略を練る;戦略から実行へ;南部アフリカ作戦の成果と巧みな交渉に学ぶ)
2 ズームアウト(戦略―広い視野からの交渉;現実主義―合意・不合意のバランスを調べる;ゲームを変える―合意・不合意のバランスを形成する;多国間交渉の難しさ―複雑な交渉を組み合わせる)
3 ズームイン(キッシンジャーの対人アプローチと戦術;交渉相手の心を読む;親密さとつながり;提案、譲歩、建設的曖昧さ;粘り強さ、勢い、シャトル外交;秘密主義、集中管理、個人プレー;ヘンリー・キッシンジャーの交渉術の核心)
まとめ―交渉者キッシンジャーからの重要な教訓

著者等紹介

セベニウス,ジェームズ・K.[セベニウス,ジェームズK.] [Sebenius,James K.]
世界の企業や政府が抱える最も困難な交渉について、分析や助言を行っている。ハーバード・ビジネススクール教授(ゴードン・ドナルドソン・プロフェッサー)。同校のMBA(経営学修士)コースに交渉学をいち早く導入し、学生や上級管理者に高度な交渉について教えている。また、ハーバード・ロースクールのハーバード交渉学プロジェクトのディレクターと、実践にフォーカスした教育機関であるハーバード大学交渉術研究所(Program on Negotiation)の副所長も務めている。ハーバード・ケネディスクールの教授時代、ハーバード大学・マサチューセッツ工科大学・タフツ大学の連盟による「偉大な交渉者賞」の座長を務めた。交渉戦略を専門とするラックス・セベニウスLLCを共同創業し、世界各国の政府やトップ企業を顧客に、困難な交渉について助言している。さらに、ブラックストーン・グループや米国商務省にも助言する。ヴァンダービルト大学を卒業後、スタンフォード大学エンジニアリングスクールで修士号、ハーバード大学でビジネス経済学の博士号を取得

バーンズ,R.ニコラス[バーンズ,R.ニコラス] [Burns,R.Nicholas]
ハーバード・ケネディスクール教授(ロイ・アンド・バーバラ・グッドマン・ファミリー・プロフェッサー)。外交術と国際関係を専門とする。外交の未来プロジェクトのディレクターであり、中東・インド・南アジアプログラムの責任者を務める。政府への貢献により国務長官功労賞を受賞した。アスペン・ストラテジー・グループの取締役、コーエン・グループの上級相談役、インテグリス社の取締役会のメンバーでもある。ジョン・ケリー元国務長官の外交政策委員会のメンバーであり、外交評議会やスペシャル・オリンピックス・インターナショナルなど数多くの非営利団体のために働いた。アメリカ芸術科学アカデミー、セント・ジョン勲章、レッド・ソックス・ネーションのメンバーでもある。ボストン大学の学士号とジョンズ・ホプキンズ大学スクール・オブ・アドバンスト・インターナショナル・スタディーズの修士号のほか、12の名誉学位を授与された

ムヌーキン,ロバート・H.[ムヌーキン,ロバートH.] [Mnookin,Robert H.]
ハーバード・ロースクール教授および、ハーバード大学交渉学研究所の所長であり、ハーバード交渉学研究プロジェクトのディレクター。紛争解決の分野における指導的学者で、自らの学際的な手法を、商業上の紛争や政治紛争における交渉と解決に幅広く活かしてきた。これまでに10冊の本を執筆または編集した。最近の著書Bargaining with the Devil:When to Negotiate,When to Fightでは、きわめて重要な意思決定について掘り下げている。著書Beyond Winning:Negotiating to Create Value in Deals and Disputesは、弁護士が建設的な交渉について学ぶための教科書として世界中で読まれている。ムヌーキンは、ハーバード大学とハーバード・ロースクールを卒業後、最高裁判所のジョン・M・ハラン判事の法律顧問を務め、サンフランシスコで弁護士を開業した。ハーバード・ロースクールの教授になる前は、長年にわたってスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとり、スタンフォード紛争・交渉センターを創設し、そのディレクターを務めた

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Isamash

26
ジェームズ・K・セベニウム(ハーバード・ビジネススクール教授)、R・ニコラス・バーンズ(ハーバード・ケネディスクール教授)、ロバート・H・ムヌーキン(ハーバード大交渉学研究所所長)2018年共著の訳本。分かりやすい説明で感動。特にズームインとズームアウトの併用。唯キッシンジャーの外神学的見方(ex神を信じない共産党員とは合意できない)と精神医学的見方(ex話せば分かると交渉そのものの力を信奉する)を排除する現実主義は言われれば理解できるが相当に難しいことでもある。悪魔に思えるプーチンとも交渉考慮すべきか。2022/08/09

まゆまゆ

11
ベトナム戦争終結の功績で1973年にノーベル平和賞を受賞した元米国務長官キッシンジャーのネゴシエーションとその交渉術に迫る内容。要求をただ呑ませようとするのではなく、相手のテーマに精通することや相手に対するズームインと戦略の目標へのズームアウトを繰り返しながら絶えず見方を見直すこと、様々な見方を現実に置き換えて臨機応変に行動すること、等の心構えが参考になりそう。2019/07/17

9
【立読】実際の交渉した事象からキッシンジャーの交渉術を紹介する。交渉テクニックが参考になることは勿論、当時の社会情勢やお国柄なども非常に参考になる。2019/02/14

シロクマとーちゃん

8
キッシンジャーといえば、世界の勢力図が大きく変化した60年代、70年代にアメリカの外交をリードした人。当時は何かとニュースになっていたので、幼心にも、すごい人だという印象があった。彼の外交手法は、直接交渉だけではなく、むしろ交渉テーブル外で関係国の状況を操作し、相手にとってノーが得策ではない状況を作り上げる。一方、交渉の多くは秘密裏に行われ、相手の事情に共感を示したり、逆に 同盟国を失望させたこともあった。しかし、すべては長期的戦略に基づいた目標を達成するためで、まさに清濁併せ呑む政治家だったといえよう。2020/02/10

hiyu

7
キッシンジャーの戦略的交渉術を丁寧に示している。読みごたえがある内容でもある。明確な目標をたて、より幅広い文脈に留意し、当事者、問題、地域の長期的なつながりを重視する等のズームアウトと対人アプローチと戦術交渉相手の心を読む親密さとつながり等のズームインの重要性を述べている。最後の重要な教訓に目を通すだけでも参考になるし、いわば即興のジャズに近いという表現は腑に落ちるものであった。2019/08/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13406912
  • ご注意事項

最近チェックした商品