フォルクスワーゲンの闇―世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

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フォルクスワーゲンの闇―世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽

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  • サイズ B6判/ページ数 464p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822255299
  • NDC分類 537.067
  • Cコード C0034

出版社内容情報

ニューヨーク・タイムズ敏腕記者が暴く、
フォルクスワーゲン事件の全真相と不正が巣喰う企業風土の怖さ

2015年に発覚したフォルクスワーゲンの「クリーン・ディーゼル不正」は、世界に衝撃を与えた。長きにわたって品質と信頼を築いてきた世界最大の自動車メーカーは、一瞬にして、「強欲とだまし」の象徴に変わった。消費者は怒り、投資家はパニックに陥り、非難の集中砲火を浴びたフォルクスワーゲンは経営危機に直面している。数々の裁判や捜査により、2017年初めまでにフォルクスワーゲンは200億ドル(2兆2000億円)を、政府機関やクルマの所有者に支払い、追加の罰金や訴訟には、まだ終わりが見えていない。
ニューヨーク・タイムズ敏腕記者、ジャック・ユーイングは、本書でフォルクスワーゲンの闇に鋭く切り込んでいく。ナチス時代の「国民車」構想から、ドイツで最も評判が高く重要な世界ブランドに成長。世界制覇を目標に掲げ、避けては通れない米国市場攻略のため「環境」を全面に押し出した。そこに大きな落とし穴が待ち受けていた。
著者は、フォルクスワーゲンを発展させた天才技術者であり、名経営者であり、不正の温床を形作った張本人のフェルナンド・ピエヒとマーティン・ヴィンターコルンを細部にわたって描く。彼らの「世界制覇の野望」によって打ち出された達成不可能な目標のプレッシャーが、社員を恐怖に陥れ、違法な手段に手を染めさせていった。
日本でも、有名大企業が不正会計に手を染めたり、残業を強いて自殺者を出したりと、企業ガバナンスや社風が大きく問われるようになってきた。本書は、他山の石として、自動車業界だけでなく、日本のさまざまな企業の経営者、経営幹部、技術者に教訓を与える。

内容説明

高すぎる必達目標、さもなくば冷酷人事。世界的企業の内実は「ブラック」だったのか?排ガス不正スキャンダル全真相。

目次

ロードトリップ

ルネサンス
御曹司
最高経営責任者
目標達成に手段は選ばない
規制と不正
不可能なことなど何もない
労使関係
いかさま〔ほか〕

著者等紹介

ユーイング,ジャック[ユーイング,ジャック] [Ewing,Jack]
ニューヨーク・タイムズ記者。1994年、ビジネスウィーク誌の特派員として赴任して以来、ドイツで取材を続けている。2010年、ニューヨーク・タイムズ入社。欧州特派員として経済記事を担当し、自動車産業などを取材。フランクフルト在住

長谷川圭[ハセガワケイ]
英語・ドイツ語翻訳家。高知大学人文学部卒。ドイツ・イエナ大学哲学部修士課程修了

吉野弘人[ヨシノヒロト]
山形大学人文学部経済学科卒。金融機関、監査法人勤務を経て、現在、書籍および実務翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

21
日産自動車の無資格審査、神戸製鋼のデータ改ざんが発覚し、日本製造業のモノ作り神話が揺らいでいます。本書は、独VWの排気ガス測定不正スキャンダルの真相に迫ったタイムリーな好著です。示唆すべき点が多くあります。「経営が示した技術的課題を解決しないことは許されない」、「法に従った目標に必要な資源を与えず高めの目標達成だけを叫ぶ」経営者ピエヒを始めとする経営陣のやり口は、正に不正の温床です。訴訟、リコールの行方は分かりませんが、目標達成のプレッシャー、冷酷な人事を除き、明確な行動規範、現場第一主義が望まれます。 2017/10/10

mazda

19
ドイツの技術というと盲目的に信じてしまう人が多いと思いますが、クリーンディーゼルのためなら違法ソフトもなんのその、というのもまた事実。バイアスかけずに1から疑ってかかることも必要かも知れません。2018/09/28

しーふぉ

14
ポルシェ一族やナチスとの関わりなど、知識になかった部分だったので勉強になった。2018/08/08

たこ焼き

7
ティガー戦車はメンテナンスができない過剰スペックだった。ビートルはアメリカにおいてあえて小さい車に乗るというイメージ戦略に合致した。無能な管理職が無実の現場労働者の仕事を奪ってしまう。エンジンが高温になると窒素化合物が発生する。メンテナンスが高い車は大衆車になりえない。クビにされる脅しで細部にこだわる車は出来上がっていた。トップの部下への振る舞い方は下の組織に伝搬する。技術者は自分が持つ技術に執着しすぎて新しい技術を導入することよりも既存技術を発展させて延命する思考になりがち。2025/06/22

☆ツイテル☆

2
フライヤー2022/01/30

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