出版社内容情報
ニューヨーク・タイムズ敏腕記者が暴く、
フォルクスワーゲン事件の全真相と不正が巣喰う企業風土の怖さ
2015年に発覚したフォルクスワーゲンの「クリーン・ディーゼル不正」は、世界に衝撃を与えた。長きにわたって品質と信頼を築いてきた世界最大の自動車メーカーは、一瞬にして、「強欲とだまし」の象徴に変わった。消費者は怒り、投資家はパニックに陥り、非難の集中砲火を浴びたフォルクスワーゲンは経営危機に直面している。数々の裁判や捜査により、2017年初めまでにフォルクスワーゲンは200億ドル(2兆2000億円)を、政府機関やクルマの所有者に支払い、追加の罰金や訴訟には、まだ終わりが見えていない。
ニューヨーク・タイムズ敏腕記者、ジャック・ユーイングは、本書でフォルクスワーゲンの闇に鋭く切り込んでいく。ナチス時代の「国民車」構想から、ドイツで最も評判が高く重要な世界ブランドに成長。世界制覇を目標に掲げ、避けては通れない米国市場攻略のため「環境」を全面に押し出した。そこに大きな落とし穴が待ち受けていた。
著者は、フォルクスワーゲンを発展させた天才技術者であり、名経営者であり、不正の温床を形作った張本人のフェルナンド・ピエヒとマーティン・ヴィンターコルンを細部にわたって描く。彼らの「世界制覇の野望」によって打ち出された達成不可能な目標のプレッシャーが、社員を恐怖に陥れ、違法な手段に手を染めさせていった。
日本でも、有名大企業が不正会計に手を染めたり、残業を強いて自殺者を出したりと、企業ガバナンスや社風が大きく問われるようになってきた。本書は、他山の石として、自動車業界だけでなく、日本のさまざまな企業の経営者、経営幹部、技術者に教訓を与える。
内容説明
高すぎる必達目標、さもなくば冷酷人事。世界的企業の内実は「ブラック」だったのか?排ガス不正スキャンダル全真相。
目次
ロードトリップ
孫
ルネサンス
御曹司
最高経営責任者
目標達成に手段は選ばない
規制と不正
不可能なことなど何もない
労使関係
いかさま〔ほか〕
著者等紹介
ユーイング,ジャック[ユーイング,ジャック] [Ewing,Jack]
ニューヨーク・タイムズ記者。1994年、ビジネスウィーク誌の特派員として赴任して以来、ドイツで取材を続けている。2010年、ニューヨーク・タイムズ入社。欧州特派員として経済記事を担当し、自動車産業などを取材。フランクフルト在住
長谷川圭[ハセガワケイ]
英語・ドイツ語翻訳家。高知大学人文学部卒。ドイツ・イエナ大学哲学部修士課程修了
吉野弘人[ヨシノヒロト]
山形大学人文学部経済学科卒。金融機関、監査法人勤務を経て、現在、書籍および実務翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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