ワシントン緊急報告 アメリカ大乱

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ワシントン緊急報告 アメリカ大乱

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822255176
  • NDC分類 312.53
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ケント・カルダー米ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所長
「トランプの米国の今日と明日を知る必読書」

 以下、本書「はじめに」から、一部抜粋する。

 「不動産王から大統領に駆け上ったドナルド・トランプを取材していて忘れられない場面が2つある。1つは共和党候補の指名を確実にした2016年5月3日のインディアナ州予備選で勝った後の演説、もう一つは大統領に当選した11月9日未明の勝利演説の際の表情だ。

 勝ったにもかかわらず、いずれも笑顔がなく、顔面蒼白だった。5月は大統領になる確率が数字上は5割になり、11月は大統領になるのが決まった。職責の重さを実感した緊張に映ったが、同時にトランプは大統領を本当にやりたいのだろうか、という疑問が浮かんだ。「大統領になる」のと「大統領をやる」のは違う。
 (中略)
 トランプの2つの表情から「大統領にはなりたい」が「大統領はやりたくない」という相克が一瞬透けたようにみえた。白黒をつけずに灰色にとどめるのも必要な大統領のような仕事が得意でないことはトランプ自身がもっとも知っているからだ。
 (中略)
 政権発足から2カ月あまり。トランプ氏が「偽ニュース」と一部の米メディアに当たり散らす姿は、「大統領になる」のと「大統領をやる」間の壁にぶつかって葛藤しているように感じられる。
  (中略)
 戦後の世界の秩序づくりを主導してきた米国そのものがトランプの登場により、混乱の元凶になりかねない。世界の未体験ゾーンでもある。大統領選、政権発足から2カ月余りみて「米国大乱」の思いを強くし、それが本を書く出発点になった。
 日本経済新聞政治部で20年近く、そして米州総局ワシントン支局で5年間全米を取材した蓄積を「ワシントン緊急報告」として発表する。」


第1章 ラストベルト
   column 元中間層の失望や怒りが政治への反乱に
第2章 変身
   column 実はとても人間的だったヒラリー・クリントン
第3章 登場
   interview フランク・ニューポート・ギャラップ編集長
第4章 本番
   column プロレスと米大統領選の因果関係
第5章 敗北
   column WWEファンはトランプ支持?
第6章 衝撃
   column ビッグデータ選挙の号砲 
第7章 正体
   interview 御厨貴東京大学名誉教授
column ファーストレディーになったメラニア夫人
第8章 薄氷
   column 細る日本語教育
   interview リチャード・アーミテージ元米国務副長官
第9章 標的
   column 「予測不能」は力の源泉
第10章 功績
   column 保守とリベラルの周期
第11章 迷走
   column 任期をまっとうするか、弾劾裁判か
第12章 始動
   column こだわりは細部に
   column 情報機関との対立の末路
第13章 実行
   column 大統領令第1号はリンカーンの奴隷解放令
   interview 金玄基・中央日報ワシントン総局長
第14章 強行
   column 歴史的な国防費増額に透ける選挙対策
   column 政治任用4千人の交代劇
第15章 再会
   column 「政治力のない日本の政治家との頻繁な面会は遠慮したい」
第16章 接近
第17章 転換
   column 微妙な米独関係を反映したメルケル首相との会談
column 満月は欠けるだけ?
第18章 操作
   column 「毎日が戦争」??トランプとバノンを結びつけた“飢餓感”
   interview デビッド・ナカムラ米ワシントンポスト紙記者

吉野 直也[ヨシノ ナオヤ]
日本経済新聞社前ワシントン支局記者。2017年4月から政治部次長。1967年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。政治記者として首相官邸、自民党、民主党、外務省、防衛省、財務省などを20年近く取材。2012年4月からホワイトハウス、国務省、国防総省、米議会を担当。著書に『「核なき世界」の終着点 オバマ対日外交の深層』(2016年)、『政権』(2010年、共著、以上日本経済新聞出版社)。

内容説明

「予測不能」の指導者トランプ。ベテラン政治記者がワシントンを起点に全米を歩いて総力取材した、渾身のレポート。

目次

ラストベルト
変身
登場
本番
敗北
衝撃
正体
薄氷
標的
功績
迷走
始動
実行
勉行
再会
接近
転換
操作

著者等紹介

吉野直也[ヨシノナオヤ]
日本経済新聞社前ワシントン支局記者、2017年4月から政治部次長。1967年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。政治記者として首相官邸、自民党、民主党、外務省、防衛省、財務省などを20年近く取材。12年4月からホワイトハウス、国務省、国防総省、米議会を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

highsax @ シンガポール

17
★★★★☆ 政治オンチを直したい、そう考えていた時に吉野氏の講演を聞く機会に恵まれ、本書を購入。トランプ大統領誕生の瞬間にワシントンで記者として取材をされていただけあって、臨場感が伝わる一冊。モールでのインタビュー、野球観戦からの洞察など個人的なものの見方も面白い。ビリージョエルのAllen town、思わず聞いてしまった。政府人事や他国外交戦略も簡潔にまとまっている。 という具合に、政治音痴の私でもグイグイ引き込まれた一冊。ただ、経済政策や通商政策などに深く触れられていないところが不満。2017/06/18

かおりん

14
トランプは「大統領になる」のが目的だった。「大統領をやる」ことに執念を見せるか?この文はうまくいい得ている。様々な側近が排除されていき、安倍政権もぐらつく中、今後が気になる。今年2月に国防長官マティスが元防衛相稲田朋美より安倍が先に会談したのは、日本はこのポストを新人閣僚の登竜門のように扱ってきたから。防衛相を軽視しているのを初めて知った。「はじめに」を読むだけで全体像が分かるし、読みごたえはあるので、読んでよかった。2017/08/04

Machida Hiroshi

7
本書は、最初は一人の泡沫候補と思われていたトランプが2年間の選挙戦をいかに戦い、最終的に大統領になったのか、そして大統領として何を始めたのかを、豊富な取材から克明に描き出したレポートです。トランプが頭角を現したのが暴言からというのが面白いです。そこからトランプ劇場が始まり、大統領にふさわしくないと言われながらも、ついには圧倒的に有利に見えていたヒラリーを倒したのは、テレビのドキュメンタリー番組を見ているようです。一連の流れがスッキリ整理されて、大統領選挙が終わった今、まさに読んでおくべき本だと思いました。2017/06/02

Kei Iwasaki

2
3/10:諸々読んだ中では最もひどいアメリカ情勢本。選挙データの分析もない(「ラストベルト白人貧困層の支持」という一言のみ)、ルポトランプ王国のような丹念なインタビューもない。何よりも脈絡のない文章、憶測(or憶測を誘導するような文章)が多い。例えばティラーソンの登用の話の際に、以前マクナマラ国防長官が民間から登用された例が書かれ、『ティラーソンが第2のマクナマラにならないとは言い切れない』と締めくくっているが、なぜこの2人を唐突に比較しているのか(共通点は民間登用という極めて外形的要素のみ)。意味不明。2017/06/06

あきら

2
201700542017/05/27

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