Nikkei BP classics<br> 世界宗教の経済倫理―比較宗教社会学の試み 序論・中間考察

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Nikkei BP classics
世界宗教の経済倫理―比較宗教社会学の試み 序論・中間考察

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822255008
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C0330

出版社内容情報

訳者の中山元さんの解説から、一部抜粋した。

 ウェーバーの宗教社会学は、三部構成となっている。その目次を次に掲げてみよう。

<第一巻>
 序
 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
 『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』
   世界宗教の経済倫理?比較宗教社会学試論
   序論
   第一部 儒教と道教
   中間考察
<第二巻>
   第二部 ヒンドゥー教と仏教
<第三巻>
   第三部 古代ユダヤ教

 この構成から明らかなように、ウェーバーの宗教社会学は大きく分けて、プロテスタントの倫理を考察する『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』および『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』の部分と、東洋と中東の宗教の倫理を問う『世界宗教の経済倫理』で構成されているということである。この『世界宗教の経済倫理』は具体的には、第一部で中国の儒教と道教を考察し、第二部でインドのヒンドゥー教と仏教を考察し、第三部ではユダヤの古代ユダヤ教を考察するものとなっている。そしてウェーバーはこれらの三つの地域における宗教的な経済倫理は、プロテスタンティズムとどのように異なり、それが資本主義の成立や興隆の実現をどのようにして妨げたのかを、丹念に追跡していくのである。
 これらの三部の考察は大部な著作として残されているが、これらの個別研究とは別に、ウェーバーは宗教倫理と経済の関係について考察する総論に該当する文章を、『世界宗教の経済倫理』に含めている。それが冒頭の「序論」と中国の儒教と道教の考察が終わったところで執筆された「中間考察」である。
 「序論」には、これらの世界宗教の考察の方法論的な点検が行われるが、これは「中間考察」でも続けられており、これは中間的な考察であると言うよりも、序論の議論をさらに展開した文章となっている。


<第一巻>
 序
 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
 『プロテスタンティズムの諸宗派と資本主義の精神』
   世界宗教の経済倫理?比較宗教社会学試論
   序論
   第一部 儒教と道教
   中間考察
<第二巻>
   第二部 ヒンドゥー教と仏教
<第三巻>
   第三部 古代ユダヤ教

マックス・ウェーバー[マックスウェーバー]
一八六四?一九二〇。ドイツを代表する社会科学の巨人。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、本書や『儒教と道教』、『ヒンドゥー教と仏教』、『古代ユダヤ教』からなる「世界宗教の経済倫理ーー比較宗教社会学試論」、死後にまとめられた『経済と社会』を構成する『支配の社会学』『支配の諸類型』などの政治社会学、法社会学に加え、『古代社会経済史』や『ロッシャーとクニース』など、膨大な著作を残した。

中山 元[ナカヤマゲン]

内容説明

儒教、ヒンドゥー教、仏教、キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の経済倫理と担い手の社会層から歴史を動かす起動力を類型化したウェーバー宗教社会学の真髄。

目次

序論
中間考察―宗教的な現世拒否の段階と方向についての理論(現世拒否の動機について、合理的な構築を試みる理由;禁欲と神秘主義の類型学;現世拒否の方向性;現世拒否の諸段階;弁神論の三つの合理的な形態)

著者等紹介

ウェーバー,マックス[ウェーバー,マックス] [Weber,Max]
1864~1920。ドイツを代表する社会科学の巨人。政治社会学、法社会学に加え、『古代社会経済史』や『ロッシャーとクニース』など、膨大な著作を残した

中山元[ナカヤマゲン]
思想家・翻訳家。1949年生まれ。東京大学教養学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

15
「宗教社会学」三部作のうち、有名な「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を含む「序」と第一部「儒教と道教」の間の①序論、第二部「ヒンドゥー教と仏教」第三部「古代ユダヤ教」に先立つ②中間考察の2篇の論文を掲載。今回読んだ部分の他は、読みにくいが味のある大正時代の訳を中心に昔々何とか目を通した。今回訳は読み易い。序論中間考察共に五大世界宗教にユダヤ教を加えた宗教の夫々の性格付から弁神論を中心に苦行の意味論、世俗権力との対処等を検討している。2つの論文相互の位置付の理解に苦しむが復習には良い読書だった。2024/12/07

Bashlier

15
4/5 "敬虔なプロテスタントが世界の宗教を比べてみた”的著作。”各宗教の差は支配層の差。基本は同じだがそれぞれの社会に都合のいい様に変遷”、”お金という普遍かつ非人間的なものが生まれて、宗教の世界観が破壊された”、”生死感や倫理など失ってはいけないものが破壊され生きる意味が不明瞭になった”という3点を主張します。贔屓目を持たずにできるだけ公平に社会を比較しようという姿勢が美点。完成品でなく、研究の過程が遺されているのは貴重ですね。2023/04/04

ころこ

12
「プロ倫」の論点を引き継いで、では、世界の主要な宗教は、その属する世界をどの様に理解したのかと問います。射程が広すぎて、宗教が経済的な合理主義とどの様な関係にあるのか、という隔靴掻痒のある問いになりますが、多くの留保や条件付けがされており、決して明快な議論ではありません。現世的な救いを実現するための救済方法として①現世肯定的な神秘主義(ユダヤ教)②現世肯定的な禁欲主義(プロテスタント)③現世否定的な神秘主義(道教、マニ教)④現世否定的な禁欲主義(中世キリスト教)と分け、さらに経済的、政治的、審美的、エロス2017/09/22

フロム

9
羊頭狗肉であると思う。いやこの表現があってるか疑問だがとりあえず宗教と経済の関わりというより「性」「芸術」「死」「科学」「官僚機構を含む組織構造」など多岐に渡るので「プロ倫」の延長として読むと大火傷を負う(少なくとも僕はこんがり焼かれた)ウェーバーの主張も「これ位は当然知ってるでしょ?」的な論旨展開であり、しかも議論も急に展開するので「あたり」をつけながら読むことがまったくできない。ウェーバーの主張が正しいのか間違っているのか判断不能であり僕には正直お手上げであった。何とか読みきったが完敗である。2020/03/16

ささみ

0
なんとなくだがあんまり突飛な言葉を使ってないシュタイナーが同じ景色をどう描くか?みたいなかんじだった。2017/06/11

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