出版社内容情報
「アート派(歴史家)とサイエンス派(理論家)とからなる外交政策の研究者全体に向けて本書は書かれていると著者たち自身が、序論で触れているように、初版の著者であるアリソンが同僚の歴史家のゼリコウを共著者に選んだのは、アート派とサイエンス派の両者の要求に応えたいという思惑からである。これは甚だ野心的な試みであって、両立は難しい。下手をすれば、虻蜂取らずになる怖れがある。本書に対する批評を何人かの研究者から聞いたことがあるが、その批評も、この両派のいずれかの立場からのものである。読者は、自分の好みに従って、例えば三つのモデルを扱った第1、3、5章は必要な限りで読み、キューバ危機を扱った第2、4、6章に集中するのも良い。」(渡邉昭夫東京大学・青山学院大学名誉教授の解説から)
第?U巻は、第4章「キューバミサイル危機ーー第二モデル(組織行動)による分析」から第7章「結論」までを収録。政治指導者ケネディとフルシチョフ、彼らを取り巻くホワイトハウスの国家安全保障会議執行委員会(エクスコム)とソ連最高幹部会、そして米ソ間の緊迫した駆け引きを舞台裏から克明に解明していく。
【著者紹介】
一九四〇~。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。政治学者。専門は政策決定論、核戦略論。ハーバード大学卒業後、オックスフォード大学で修士号、ハーバード大学で博士号取得。一九七二年から現職。クリントン政権時代に国防総省スタッフとしてウクライナ、ベラルーシなどの核兵器廃棄政策に関与。一九七一年に刊行した『決定の本質』は政策決定論の必読文献。他に『核テロ』、『日・米・ロ新時代へのシナリオ』(共著)。
内容説明
政治指導者ケネディとフルシチョフは何をもとに判断し、どう決断したのか?「合理的アクター」「組織行動」「政府内政治」の3モデルによる分析が導いた結論とは?
目次
第4章 キューバ・ミサイル危機―第二モデルによる分析(キューバにおけるソ連ミサイル配備;アメリカのキューバ封鎖;ソ連ミサイルのキューバ撤去)
第5章 第三モデル―政府内政治(政府内政治の解説;集団過程が選択と行動に及ぼす影響;政府内政治のパラダイム)
第6章 キューバ・ミサイル危機―第三モデルによる分析(アメリカによる海上封鎖;ソ連によるキューバからのミサイル撤去)
第7章 結論(要約―解釈の相違;要約―答えが異なるのか、問いが異なるのか;今後の展開)
著者等紹介
アリソン,グレアム[アリソン,グレアム] [Allison,Graham]
1940~。ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。政治学者。専門は政策決定論、核戦略論。ハーバード大学卒業後、オックスフォード大学で修士号、ハーバード大学で博士号取得。1972年から現職。クリントン政権時代に国防総省スタッフとしてウクライナ、ベラルーシなどの核兵器廃棄政策に関与
ゼリコウ,フィリップ[ゼリコウ,フィリップ] [Zelikow,Philip]
1954~。バージニア大学教授。歴史学者。1989年から91年、ブッシュ・シニア政権の国家安全保障会議(NSC)で、スコウクロフト大統領補佐官(国家安全保障担当)のスタッフとして働く。NSCを経てハーバード大学で教鞭を執り、1998年から現職
漆嶋稔[ウルシマミノル]
翻訳者。1956年宮崎県生まれ。神戸大学卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)を経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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masabi
ぽん教授(非実在系)
人生ゴルディアス
あまたあるほし
Fumi Kawahara