出版社内容情報
「日本の不正会計に関する書籍は、『粉飾決算の見破り方』などといった実務書がほとんどであるが、本書はそれらのハウツー・ブックスとは決定的に違う。何よりも、本書の不正会計事例で取り上げられている企業は、(日本のカネボウやソフトバンクを含み)全米の上場企業全100社以上に上る。しかもその実証分析は、会計学的論理性に優れ、会計トリックの発見技法も、論旨は一貫してゆるぎない。圧倒的に豊富な事例の高度解析分析が、本書における粉飾発見技法として結実している。」(細野祐二氏の本書解説から)
2002年に刊行して好評だった『会計トリックはこう見抜け』の大幅改訂版。原書はCFA(米国証券アナリスト)プログラムとして使われている定番本だ。
著者のハワード・シリットは、財務諸表の分析から不正会計の警告を投資家に発するCFRA(Center for Financial Research and Analysis)の創立者。いまはシリット・フォレンジックスのCEOとして、投資家の立場に立つリポートを出している。
改訂版はエンロン事件以降の多くの粉飾決算事例を収録し、利益操作のトリック、キャッシュフローのトリック、キー・メトリックスのトリックの3つに分類して、投資家を欺く粉飾の手口を詳述している。
解説はベストセラー『公認会計士vs特捜検察』の細野祐二さん。
第1部 基礎を固める
第1章 最悪の事態
第2章 レントゲン写真の修正
第2部 利益操作のトリック
第3章 利益操作のトリック<その1>収益の早期計上
第4章 利益操作のトリック<その2>架空収益の計上
第5章 利益操作のトリック<その3>一時的または持続不可能な活動による利益の増大
第6章 利益操作のトリック<その4>当期の費用を翌期以降に繰り延べる
第7章 利益操作のトリック<その5>費用または損失を隠蔽するその他のテクニック
第8章 利益操作のトリック<その6>当期の利益を翌期以降に繰り延べる
第9章 利益操作のトリック<その7>将来の費用を前倒しする
第3部 キャッシュフローのトリック
第10章 キャッシュフローのトリック<その1>財務キャッシュ・インフローを営業の区分にシフト
第11章 キャッシュフローのトリック<その2>通常の営業キャッシュ・アウトフローを投資の区分にシフト
第12章 キャッシュフローのトリック<その3>事業の買収・売却を使った営業キャッシュフローの水増し
第13章 キャッシュフローのトリック<その4>持続不可能な活動による営業キャッシュフローの増大
第4部 キー・メトリクスのトリック
第14章 キー・メトリクスのトリック<その1>経営成績を過大表示する指標を提示
第15章 キー・メトリクスのトリック<その2>財政状態の悪化を隠蔽する貸借対照表の指標の歪曲
第5部 総括
第16章 トリックの復習とアドバイス
解説 高度な会計技術論に裏付けられた粉飾決算発見技法 細野祐二
【著者紹介】
博士(Ph.D.)、公認会計士(CPA)1994年、企業の財務報告の不正について投資家に警告を与える調査機関「財務調査・分析センター」(CFRA)を設立。2011年、シリット・フォレンジックスを設立して、現在は同社CEO。17年間、アメリカン大学で会計学を教えた。著書に『会計トリックはこう見抜け』(本書旧版)ほか。
内容説明
100社を超える著名米国企業+カネボウ+ソフトバンクの事例を素材にした「粉飾決算大全」。不正会計分析のプロが発見法を伝授。利益操作、キャッシュフロー操作、業績指標の操作などの手口を詳述。
目次
第1部 基礎を固める(最悪の事態;レントゲン写真の修正)
第2部 利益操作のトリック(収益の早期計上;架空収益の計上;一時的または持続不可能な活動による利益の増大;当期の費用を翌期以降に繰り延べる;費用または損失を隠蔽するその他のテクニック;当期の利益を翌期以降に繰り延べる;将来の費用を前倒しにする)
第3部 キャッシュフローのトリック(財務キャッシュ・インフローを営業の区分にシフト;通常の営業キャッシュ・アウトフローを投資の区分にシフト;事業の買収・売却を使った営業キャッシュフローの水増し;持続不可能な活動による営業キャッシュフローの増大)
第4部 キー・メトリクスのトリック(経営成績を過大表示する指標の提示;財政状態の悪化を隠蔽する貸借対照表の指標の歪曲)
第5部 総括(トリックの復習とアドバイス)
著者等紹介
シリット,ハワード[シリット,ハワード] [Schilit,Howard]
博士(Ph.D.)、公認会計士(CPA)。1994年、企業の財務報告の不正について投資家に警告を与える調査機関「財務調査・分析センター」(The Center for Financial Research and Analysis=CFRA)を設立。2011年、シリット・フォレンジックスを設立。17年間、アメリカン大学で会計学を教えた
パーラー,ジェレミー[パーラー,ジェレミー] [Perler,Jeremy]
証券アナリスト(CFA)、公認会計士(CPA)。ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスで会計学修士と経営学士号を取得。プライスウォーターハウスクーパースのニューヨーク事務所勤務を経て、シリット・フォレンジックスのマネージングディレクター
熊倉恵子[クマクラケイコ]
1970年生まれ。1993年、早稲田大学を卒業後、監査法人朝日新和会計社(現・あずさ監査法人)入所。1996年、公認会計士第3次試験合格。2008年、独立。プロビティコンサルティング株式会社のコンサルタント
細野祐二[ホソノユウジ]
1953年生まれ、早稲田大学政経学部卒業。1982年、公認会計士登録。1978年から2004年まで、KPMG日本およびロンドンにおいて会計監査並びにコンサルタント業務に従事。2004年、キャッツ有価証券報告書虚偽記載事件で逮捕・起訴。2010年、最高裁判所上告棄却により、懲役2年、執行猶予4年の刑が確定。2014年6月、執行猶予満了。主な著書に、『国際金融取引の実務』(中央経済社、日本公認会計士協会学術賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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