出版社内容情報
世界で最も売れている英語訳「孫子」の翻訳。軍事戦略の大家リデル=ハートが序文を書き、グリフィスの解説と、「孫子」本編を収録。
本書を読んで、私と同じ考え方が少なからずあることに気づいた。特に、奇襲や間接アプローチ戦略の追求を何度も強調していることだ。これにより、戦術論も含め、原理的な軍事思想ほど不変の価値があるという確信を得た。
それから第二次世界大戦の真っ只中の約15年後、蒋介石の教えを受けたという中国の駐在武官の訪問を何回か受けた。彼によれば、中国の陸軍軍官学校では、私の著書やフラー将軍の書物が主たる教科書として使われているという。
私は「『孫子』は使わないのか?」と質問した。すると、「古典としては尊重されていますが、青年将校の大半は時代遅れと考えています。従って、近代兵器の時代ではほとんど研究するには値しないと思っています」という答えが返ってきた。
そこで、私は「君たちは『孫子』に立ち戻るべき時期にきている」と指摘しておいた。この短編には、私が20冊以上の本を書いても論じられないほど多くの戦略や戦術の原理が説かれているからだ。
要するに、『孫子』は、戦争論に関する簡明かつ最高の入門書であるだけでなく、研究を深めるほどに座右の書として手放せなくなる一冊なのだ。
(ベイジル・ヘンリー・リデル=ハートの序文から)
【著者紹介】
1906年~1983年。米国ペンシルべニア州生まれ。元米国海兵隊准将。退役後は米国の外交問題評議会の研究員を務め、中国の軍事分野に精通していた。著書『北京と人民戦争』、『中国人民解放軍』、訳書『遊撃戦』(毛沢東著)などがある。
内容説明
英米人が理解した世界最高の戦争論。
目次
本篇(計篇;作戦篇;謀攻篇;形篇;勢篇;虚実篇;軍争篇;九変篇;行軍篇;地形篇;九地篇;火攻篇;用間篇)
補遺(呉起に関すること;日本の軍事思想における孫子の影響について;西欧の『孫子』;注釈者の略歴)
著者等紹介
グリフィス,サミュエル・ブレア[グリフィス,サミュエルブレア] [Griffith,Samuel Blair]
1906~1983。米国ペンシルベニア州生まれ。元米国海兵隊准将。退役後は米国の外交問題評議会の研究員を務め、中国の軍事分野に精通していた
漆嶋稔[ウルシマミノル]
1956年宮崎県生まれ。神戸大学卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)入行。北京、香港、上海支店などを経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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