出版社内容情報
我々の知らない本当のアダム・スミス。彼は「同感」と呼ばれるものこそが社会の基本的な原理だと考えた。そして、この原理を社会の支配と法に適用しようと、苦闘を続けた。
内容説明
スミスは、「同感」と呼ぶものの作用が社会全体を導く基本的な原理だと考えていた。そして、この原理を社会の支配と法に適用しようとして、苦闘を続けた。我々の知らない本当のアダム・スミス。人間の本質について考え続けたその実像。
目次
第1章 父なき世界(一七二三~一七四六年)
第2章 洞窟、樹木、泉(一七四六~一七五九年)
第3章 ペン・ナイフと嗅ぎタバコ入れ(一七五九年)
第4章 袋かつらの不信心者(一七五九~一七七六年)
第5章 果樹園の手長猿(一七七六年)
第6章 決死の任務(一七七六~一七九〇年)
著者等紹介
バカン,ジェイムズ[バカン,ジェイムズ][Buchan,James]
作家、評論家。1954年生まれ。フィナンシャル・タイムズ紙でサウジアラビア、ニューヨークなどの特派員を務めたあと、90年に退社、以降執筆活動に専念している。“Frozen Desire:An Inquiry into the Meaning of Money”(邦訳『マネーの意味論』、青土社)でDuff Cooper賞を受賞。英国ノーフォーク在住
山岡洋一[ヤマオカヨウイチ]
翻訳家。1949年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
3
『道徳感情論』はフランス語とドイツ語に翻訳され、『国富論』より高く評価されている(75ページ)。今では日本でも岩波文庫で『法学講義』と共に読むことができる。同感や共感を使って他人の行動背景にある感情を実感しようとし、彼の体系原理となった(77ページ)。これは、現代の震災復興に対する絆とも言い換えられる。あらゆる行動は共感なくして対話も進まないが、時代を超えた普遍性を感じる。スミスは鬱病に悩んだという(119ページ)。天才や文人は洋の東西問わず、患っているのはなぜかと思う。感情の制御を分析人ができない皮肉。2012/09/28
hisajun
0
☆☆★★★2009/09/09
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