出版社内容情報
動けないし、しゃべれないし、
もう私のことはわからないのだけれど……。
母は、だれかが自分を訪ねて来てくれたことが、よくわかっています。
いちばんきれいな顔で迎えてくれますから。
母、父、子ども……。家族について
日本のどこかに暮らすごく普通の人がふともらしたつぶやきを、
作家・姫野カオルコが写し取った掌編小説集。
だれにも言えない本当の気持ちを
この本を開く時ならぶつけてもいい。
ひとりで泣くこともある、あなたに贈る愛の詩。
内容説明
日本のどこかに暮らす普通の介護する人がふともらしたつぶやきを写し取った掌編小説集。
著者等紹介
姫野カオルコ[ヒメノカオルコ]
1958年滋賀県甲賀市生まれ。90年『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
lonesome
52
介護する人、される人。皆それぞれに背負っている事情がある。人に言えないことや気持ちを抱えて、それでも人の気持ちは変わるものだ。相手に対する気持ちが悪い方に変化することもあれば、病気をきっかけに関係が修復されることもある。見守る立場の人が自分を責めてしまうことはよくあることだと思う。読み始めた時、この作品はノンフィクションだと思った。自分の住む地名が出てきたからだ。自分も抱えている感情を話している人がいて、なおさらリアリティーがあった。身近で、これから来るであろう現実の物語。2014/06/21
てんちゃん
36
家族を介護している方13人の独白・・・のような作りだが、実は全て姫野さんの作ったフィクション。一人一人、その両親の経歴 まで丁寧に小編に添えられており、ノンフィクション以上にリアルな短編集。仕事で介護者の支援に携わっているが、このような心中を察することが不足していた。家族介護者は、多かれ少なかれここに描かれたような痛みを感じているのではないか。もっと、様々なことを想像して、慮って、仕事をしていきたい、人と関わっていきたいと感じた。大作ではないが佳作。出会わせてくれた読メに感謝。2018/11/28
さよちゃん
31
図書館本。 久しぶりに手にとった姫野さんの本。今の私の心の中の叫びがあった。怖いくらいに‥読んでいて凄く心が揺さぶられる本だった。介護を経験してきた13人の人たちが語った心の中の本音。‥という設定でフィクションですが、ノンフィクションのよう。私自身至らないから、介護していると自分の心が荒んでいくのが見えてくる事があってそれを感じるとまた自分を責めたり苦しくて堪らなくなる。世間から孤立してしまったかのような錯覚憶えたり‥。この本は介護のhow-to本よりも皆んな頑張ってるよね!って心が慰められる気がする。2020/09/29
kaoriction
21
凄いなぁ、姫野カオルコ。介護をする人がふともらすつぶやきを集めた掌編小説集。13人のつぶやきの後に、それぞれのプロフィールがある。生年から出身地、出身校、勤務先や結婚歴、どんな人物なのかという軽いバックグラウンド。そのプロフィールがあってこそ「つぶやき」が、俄然、現実味を帯びてくる。まるでノンフィクションのよう。「事情ってね、いっぱいあるからさ。(中略) 地球上の人のぶん、ある。ものすごい数の事情があるんだよ。」頷くしかできなかった。短い作品だが充実感あり。介護生活が巡ってきたら、きっとまた手に取る一冊。2013/05/07
スノーシェルター
20
介護によって人生が決まったり変わったり。苦悩や葛藤があり、前向きなものもあったけれど、なんとも切なく苦しくなるリアルな一冊でした。2014/03/05




