無葬社会―彷徨う遺体 変わる仏教

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無葬社会―彷徨う遺体 変わる仏教

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822238568
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0034

出版社内容情報

現代日本における死のかたちを通して、供養の意義、宗教の本質に迫る。『寺院消滅』の著者、渾身の第2弾。「多死時代」に突入した日本。今後20年以上に渡って150万人規模の死者数が続く。
遺体や遺骨の「処理」を巡って、いま、“死の現場”では悩ましい問題が起きている。
首都圏の火葬場は混み合い「火葬10日待ち」状態。
遺体ホテルと呼ばれる霊安室ビジネスが出現し、住民運動が持ち上がっている。
都会の集合住宅では孤独死体が続々と見つかり、スーパーのトイレに遺骨が捨てられる---。
原因は、地方都市の「イエ」や「ムラ」の解体にある。その結果、地方で次々と消える寺院や墓。
地方寺院を食う形で、都市部の寺院が肥大化していく。
都心では数千の遺骨を納める巨大納骨堂の建設ラッシュを迎えている。だが、そこに隠される落とし穴----。
日本を覆い尽くさんばかりの「無葬社会」の現実。
現代日本における死のかたちを通して、供養の意義、宗教の本質に迫る。
ベストセラー『寺院消滅----失われる「地方」と「宗教」』の著者、渾身の第2弾。

【目次】

(第1章) 彷徨う遺体と遺骨
 火葬10日待ちの現実
 遺体ホテルが繁盛する時代
 増える献体、捨てられる遺骨
 超高齢社会が招く孤独死の悲劇
 孤独死現場を「リセット」する人たち

(第2章) 変わりゆく葬送
 葬儀のない葬儀場
 都心のビルに一万基の遺骨
 日本海に浮かぶ散骨島
 理想の墓が新潟にあった
 無数の遺骨を集めて仏像に
 お坊さん便、食えない僧侶を走らす
 仏具屋が見る「寺院消滅」

(第3章) 縁を紡ぐ人々
 孤独死を防ぐ縁のかたち
 路上生活者を供養する僧侶
 難民キャンプに図書館を
 地域再生と寺院
 都市と地方の寺院をつなぐ

(第4章) 仏教存在の意義 ?原始仏教研究者・佐々木閑氏に聞く?
 日本仏教の特殊な成り立ち
 今を生きる人のための仏教
 社会の受け皿としての仏教
 「律」の精神で現代日本を見直すと
 本質ではなく、かたちが変わってゆく
 (資料) 現代社会における葬送データ


(第1章) 彷徨う遺体と遺骨
 火葬10日待ちの現実
 遺体ホテルが繁盛する時代
 増える献体、捨てられる遺骨
 超高齢社会が招く孤独死の悲劇
 孤独死現場を「リセット」する人たち

(第2章) 変わりゆく葬送
 葬儀のない葬儀場
 都心のビルに一万基の遺骨
 日本海に浮かぶ散骨島
 理想の墓が新潟にあった
 無数の遺骨を集めて仏像に
 お坊さん便、食えない僧侶を走らす
 仏具屋が見る「寺院消滅」

(第3章) 縁を紡ぐ人々
 孤独死を防ぐ縁のかたち
 路上生活者を供養する僧侶
 難民キャンプに図書館を
 地域再生と寺院
 都市と地方の寺院をつなぐ

(第4章) 仏教存在の意義 ?原始仏教研究者・佐々木閑氏に聞く?
 日本仏教の特殊な成り立ち
 今を生きる人のための仏教
 社会の受け皿としての仏教
 「律」の精神で現代日本を見直すと
 本質ではなく、かたちが変わってゆく
 (資料) 現代社会における葬送データ


鵜飼 秀徳[ウカイ ヒデノリ]
鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)1974(昭和49)年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社に入社。2005年、日経BP社に移籍。「日経ビジネス」記者などを歴任。2016年4月より「日経おとなのOFF」副編集長。事件、政治、経済、宗教、文化など幅広い取材分野の経験を生かし、企画型の記事を多数執筆。一方、浄土宗僧侶の顔も持つ。1994年より浄土宗少僧都養成講座に入行。1996(平成8)年に浄土宗伝宗伝戒道場(加行)を成満する。現在、京都・嵯峨野にある正覚寺副住職。大学や宗教界などでの講演も多い。京都市景観市民会議委員を務める。著書に『寺院消滅----失われる「地方」と「宗教」』(2015年、日経BP)。

内容説明

2030年、孤独死予備軍2700万人。65歳以上の「一人暮らし+夫婦のみ世帯」=孤独死予備軍。毎日、都会のどこかで、誰にも看取られず、続々と人が死んでゆく。変わりゆく葬儀と供養のかたち、変わらぬ仏教界、もがく僧侶―。ベストセラー『寺院消滅』の著者による渾身の最新刊!

目次

第1章 彷徨う遺体と遺骨(火葬一〇日待ちの現実;遺体ホテルが繁盛する時代 ほか)
第2章 変わりゆく葬送(葬儀のない葬儀場;都心のビルに一万基の遺骨 ほか)
第3章 縁を紡ぐ人々(孤独死を防ぐ縁のかたち;路上生活者を供養する僧侶 ほか)
第4章 仏教存在の意義―佐々木閑氏に聞く(日本仏教の特殊な成り立ち;今を生きる人のための仏教 ほか)

著者等紹介

鵜飼秀徳[ウカイヒデノリ]
1974(昭和49)年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社に入社。2005(平成17)年、日経BP社に中途入社。「日経ビジネス」記者などを歴任。2016(平成28)年4月より「日経おとなのOFF」副編集長。事件、政治、経済、宗教、文化など幅広い取材分野の経験を生かし、企画型の記事を多数執筆。一方、浄土宗僧侶の顔も持つ。1994(平成6)年より浄土宗少僧都養成講座(全3期)に入行。1996(平成8)年に伝宗伝戒道場(加行)を成満。現在、正覚寺副住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

86
自分が死んだときは家族葬か直葬で、お墓は永代供養墓(納骨堂)か散骨がいい。自分の葬式や遺骨をみることはできないので、どうでもいいと思っている。とはいえ、家族がそれをどうするかはわからない。多死社会を迎えた今日、葬儀も一般葬 、家族葬、一日葬、直葬と多様化し、近年簡素化の傾向にある。墓だって、地方では人口減少で「寺院消滅」の問題も起こりうる。家が絶えてしまえばいずれは無縁仏だ。「永代供養」をうたう納骨堂でも、死後一定期間が過ぎれば合祀されてしまう。都市部では火葬場の不足、墓地埋葬法からみるとグレーゾーンにあ2017/02/07

HANA

68
現代社会における葬儀を追った一冊。足りない火葬場や孤独死から始まり、葬儀の変遷、遺骨問題と幅広い角度から、問題点を洗い出している。読んでいて昔は死とは関係者全員の問題でその一環として葬儀があったのに対して、現在では死者はその個人だけで完結させられてしまって、その結果家族葬、直葬といった形態をとるのではないかとも思ったりした。弔うという行為が多様化しているのはいいのだが、行きつく先が遺骨の廃棄みたいだし。「多死社会」における葬儀、変化といえば聞こえはいいけど問題が表面化しているだけみたいな気もするなあ。2017/10/22

おかむら

51
火葬まで10日待ちというのは実際義父の葬儀で経験したので東京23区の葬儀事情はこのルポルタージュの通りだなあ。しかもこの先高齢者がどんどん亡くなってくのか…。足りるの火葬場? 葬儀も墓も供養も、昭和の頃の水準で考えてきちんとしなきゃならんと親世代(昭和ひとけた)は思うのだろうけど、私ら世代は老後の年金生活が不安でしょうがないのでそっち方面にお金出したくないのが本音。仏壇とか墓とか一人娘に継がせるのも可哀想。ってかたぶんムリ。巻末の仏教学者との対談が良い。日本の仏教最初から間違ってたんかー。2017/03/13

keroppi

43
「寺院消滅」の鵜飼さんの著書。孤独死、火葬場の順番待ち、葬儀の簡略化、永代供養、等々、現代の葬儀と寺院の問題を浮き彫りにする。これからの多死社会が迎える避けられない現実。自分にとっても切実な問題だ。2017/04/11

きいち

38
葬送の儀礼は結局、遺された者のためのもの…親しい人を何度か見送って、お骨を拾ったり弔問を受けたりしながら何度もそう感じていたことを、終章の仏教学者へのインタビューで思い出していた。今は再帰性が優越する後期近代、一人ひとりがどう送るかの選択を余儀なくされる。この本で触れられた新たな葬いの姿も(無葬を含めて)それぞれの選択。自分だって伝統に従うことを選びなおしただけ。◇だから、仏教者には、その選択をプロとして支援してもらいたい。それ以上、全人格を求めるのは違うだろう。◇僧侶でもある著者の当事者意識が心地いい。2018/01/17

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