出版社内容情報
《内容》 マーケティングとは、「求められるものと求める人を結びつける技術」だと言うことができます。お金を払えば地球の反対側にある製品も購入できる現代社会は、マーケティングなしでは成り立ちません。患者のために必要な治療を行う医療行為も、広い意味では立派なマーケティングの実践例ということができます。医薬品マーケティングには、必要な薬と患者を結ぶという重要な役割があるはずなのに、なぜ活発な議論が起こらなかったのでしょうか。それは、常に副作用のリスクを伴うという商品特性、医師や薬剤師を介さなければ購入できないという特殊な流通経路、自由に広告すらできない様々な法律上の規制、など他産業にはない複雑な事情があるためでした。しかし、著者のミッキー・スミス氏は、40年の経験を経て「医薬品マーケティングには他の分野と同様に原理が存在する。複雑な環境要因のために、それが通用しないように誤解されているだけだ」と述べています。良い薬をそれが必要な患者に届けられるように、医薬品企業が会社として生き残れるように、本書からグローバル時代の医薬品マーケティングをくみ取ってください。
《目次》
セクション1:序論
第1章 原理の概論
マーケティングの進化
医薬品マーケティングの発展
マーケティングの社会的機能
適正な製品
適正な数量
適正な場所
適正な価格
適正な時間
言葉の広がり
マーケティングマネジメント
医薬品マーケティングの社会的地位
第2章 環境の概論
はじめに
患者と顧客:内側の輪
外側の輪:総合環境
中間の輪
結論
第3章 実践概論
はじめに
我々は何者か、他者とは誰か、彼らに対して何をすべきか?
我々の事業はどのようなものか、それはどのように我々を導くか?
内部の評価 企業の中軸に関する1考察
セクション2:Product(製品)
第4章 製品の研究と戦略の原理
製品スコープ戦略
新製品戦略
製品ポジショニング戦略
製品リポジショニング戦略
製品除去戦略
多角化戦略
イブプロフェン 1つの医薬品から医薬品群の形成へ:事例
第5章 医薬品業界の外的環境に対する対応
高付加価値の分子選択
臨床(医薬品)開発とプロジェクトマネジメントのスキル
承認後の研究開発ライフサイクルマネジメント
吸収合併
結論
第6章 製品の研究開発業務
オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)法
迅速承認制度
1992年の処方箋薬ユーザーフィー法(PDUFA)
1997年のFDA近代化法(FDAMA)
結論
セクション3 Price(価格)
第7章 医薬品の価格設定の原理
価格決定における必須要因
競合
患者の特徴
治療の価値
意思決定のプロセス
疾患の特徴
償還を巡る環境
企業のニーズ
企業の能力
公共政策
要約
第8章 医薬品価格設定を取り巻く環境
新薬の価格決定
医薬品の価格設定と公共政策
意図のある価格設定
第9章 医薬品における価格設定の実際
製品価格設定の新傾向
意図ある価格設定を行う必要性
セクション4 Place(流通)
第10章 流通、チャネルシステム、及びチャネルスペシャリストの原理
はじめに
流通マネジメントという挑戦
チャネルシステム
流通の重大な要素
チャネルスペシャリスト
チャネル関係と衝突
チャネルアクセス
物流
第11章 米国医薬品市場における流通要因:市場を取り巻く環境
医薬品および関連するヘルスケア製品
処方薬の使用
医薬品の必須項目
物理的および会計的な製品の特徴
法的・規制上の要求
第12章 米国医薬品市場における流通の実践
医薬品供給業者 医薬品メーカー、ラベラー、再包装業者
卸流通業者
チェーン倉庫業者
薬局 患者と薬剤師の接点
返品専門業者 返品流通業者、再生専門業者、廃棄専門業者
クリニック、手術センター、透析センター、研究所、計画出産所
サンプル医薬品
施設内(病院)販売
卸流通業
セクション5 Promotion(プロモーション)
第13章 原理
はじめに
論理的な訴求
非論理的な訴求
誰に製品をプロモーションすべきか
特別な事例:DTC広告
プロモーションの場所:メディアの戦略的選択
メディアの種類
メディア選択の手順
費用の決定
結論
第14章 環境
法・規制
倫理・文化
技術
経済
社会
競合
社内
患者・消費者
医療の必要な状況
結論
第15章 実践
歴史の概観
プロモーションのターゲット
メッセージ
ライフサイクルの考察
製品の考察
プロモーションミックスの融合
予算
結論
セクション6 結論
第16章 将来展望:治療を患者のニーズに結びつける
医薬品マーケティングに対する世間の認識
医薬品マーケティングの内容と実践
何が製品開発を推進しているのか?
マーケティング専門家は医薬品価格の下降圧力である
効率的な流通を介した費用節減:マーケティングの鍵になる要素
医師とのコミュニケーション:患者のニーズと製品を結び付ける
患者への直接マーケティングによる費用節減
医薬品マーケティングは需要を刺激する:医療システムにとって役立つ
付録
情報源
本文の注記
内容説明
医薬品ビジネスに40年かかわった著者が、これまでの経験と研究成果をまとめた集大成。医薬品産業をとりまく環境と、製品参入の原理、市場競争の実際が分かる。
目次
1 序論(原理の概論;環境の概論;実践概論)
2 Product(製品)(製品の研究と戦略の原理;医薬品業界の外的環境に対する対応;製品の研究開発業務)
3 Price(価格)(医薬品の価格設定の原理;医薬品価格設定を取り巻く環境;医薬品における価格設定の実際)
4 Place(流通)(流通、チャネルシステム、及びチャネルスペシャリストの原理;米国医薬品市場における流通要因:市場を取り巻く環境;米国医薬品市場における流通の実践)
5 Promotion(プロモーション)(原理;環境;実践)
6 結論(将来展望:治療を患者のニーズに結びつける)
著者等紹介
スミス,ミッキー[スミス,ミッキー][Smith,Mickey C.]
ミシシッピー大学薬学部の医薬品マーケティング&マネジメントセンターの所長である。(現在は名誉教授)博士はまた、医薬品マーケティングに関する著書を20冊以上出している他、ハワース社のジャーナルオブファーマシューティカル・マーケティング・マネジメントや同じくハワース社のジャーナルオブリサーチ・イン・ファーマシューティカルエコノミックスなどの雑誌の編集者である
コラッサ,E.M.ミック[コラッサ,E.M.ミック][Kolassa,E.M.“Mick”]
ミシシッピ大学の薬剤科学研究所における医薬品マーケティング&マネジメント研究のプログラムのコーディネーターである。また、ボストンにあるストラティジック・プライシンググループの元副社長、元サンド社の価格・経済政策担当の副社長であった
パーキンス,グレッグ[パーキンス,グレッグ][Perkins,Greg]
ソルベイ・ファーマシューティカル社のグローバル薬事システム担当のシニアバイスプレジデントである。博士は27年にわたって4つの製薬企業に勤務したが、専門分野としては薬事部門、臨床研究、品質保障・管理、それにコンプライアンスなどの分野がある。博士の業績は多岐にわたり、アクチフェッドのOTC版の開発からエイズの最初の2種の薬剤であるレトロビールとハイビッドの開発に参画したことなどがある
シーカー,ブルース[シーカー,ブルース][Siecker,Bruce]
ビジネス・リサーチ社の社長で製薬企業、卸、返品流通業者、薬局、協会などに対するアドバイザーをしており、ビジネスや専門的な問題に関する顧客の依頼ベースのリサーチを手がけている。規制関連や患者のコンプライアンスに関するネットワーク管理システムの監査や検証を行い、更にトレーニングプログラムも実施しチャネル・クリックという顧客のトレンドの追跡サービスなど提供する
植田南人[ウエダミナンド]
DMC(デルファイ・マネジメントコンサルタント)社代表取締役。米国ノースウエスタン経営大学院ケロッグスクール経営学修士(MBA)。日本のファイザー製薬(当時)でMRから学術部長、ニューヨークのファイザー本社でシニアプロダクトマネジャー、スミスクラインビーチャムのロンドン本社でマネジャーなどを経験。イノベックスジャパンのバイスプレジデントとして日本事業をたち上げた後、2000年にDMC社を設立。専門は、医薬品マーケティング、営業管理職コーチングなど
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