内容説明
築三十年の「みつばコーポラス」の裏階段は、さびれてボロきたないけど、とびっきりの場所。学も一樹もナナも、そこで、ちょっとふしぎでちょっとこまった生き物たちと遭遇する。謎めいた味わいの三つのお話を収録。
著者等紹介
佐藤多佳子[サトウタカコ]
1962年東京都生まれ。青山学院大学史学科卒業。1989年「サマータイム」でMOE童話大賞を受賞しデビュー。1998年『イグアナくんのおじゃまな毎日』(偕成社)で産経児童出版文化賞、日本児童文化者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞
小平彩見[コダイラサイミ]
横浜市生まれ。木版画作家。イラストレーター。武蔵野美術大学油絵学科版画コース卒業。1998年より2年間、安曇野ちひろ美術館勤務。以後、雑誌や書籍の挿絵・イラストを手がけながら制作活動を行う。現在は主に板目木版や木口木版で制作。2004年より手製絵本の制作に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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深青
20
あるアパートの裏階段を舞台にした不思議でワクワクするような連作短編集。こんな裏階段あったら、ドキドキしつつ毎日覗くんだろうな。2016/02/06
紅子
10
子ども、秘密、奇妙な生き物。面白くなる要素しかない作品。2021/08/09
ミサ
9
タマネギ頭になっちゃうネコや、笛を吹くクモ、煙のモクー。色んな不思議な出会いがある裏階段。不思議な出会いだけじゃなくて、マンションの人たちの交流や出会いも変わっていきそうな予感が素敵。ドキドキ、ワクワク楽しめる小説だった。2020/02/14
megumi♪
9
色々忙しくなってしまった中寝る前の読書タイム。佐藤さんの子供向けの文章が心地よい。スルスル入ってくる。ちょっとスパイスが効いた表現もあるなか、最後はめでたしめでたしでほっこりした締めくくり。小さい頃、校庭の片すみに秘密基地作って遊んでたことを思い出した。2018/05/18
k-katayama
7
久しぶりの児童文学書、かる~~く、気持ちよく読めました。深読みをしたくなる部分もたくさんあるのですが、敢えて言葉から伝わってくる直接的な感情を大切にしながら読みました。「小学生ならどんな気持ちで読むんだろう?」なんて考えながら。面白い登場人物(生き物)と、それと真正面から付き合うことのできる子供たちと、その間で生まれる「空気感」が、とってもあたたかくてほんわかして、のんびりした気持ちになりました。たまにはいいもんですね、こういう読後感も。2015/08/31