内容説明
信彦が七つのときに出会った緑の髪の少女。十八年後、信彦が公園で見かけた、陽のあたるベンチに坐っている明日香がその少女にそっくりだった…!緑の長い髪をもつ明日香と、彼女を愛してしまった信彦。明日香の正体は?二人の恋の行方はどうなるのか…?!美しいピアノの調べにのって展開する切ないラブストーリー。小学校高学年から。
著者等紹介
新井素子[アライモトコ]
1960年生まれ。1977年「あたしの中の…」で奇想天外SF新人賞佳作、1981年「グリーン・レクイエム」、82年「ネプチューン」で星雲賞受賞、1999年「チグリスとユーフラテス」で日本SF大賞受賞
イナアキコ[イナアキコ]
1979年生まれ。書籍、女性誌、大学のリーフレット、NTT東日本―神奈川2007年度カレンダー、銀行のブランドブック等のイラスト制作をてがける。横浜市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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青蓮
85
新井素子さん2冊目。明日香が持つ秘密が物語を追うに従って明らかになっていくのが、とても面白かった。ともかく着想が凄い。深い緑に閉ざされた奥にある蔦に覆われた洋館、ピアノの旋律。明日香と信彦の恋愛も切なくて、最後の方は涙腺崩壊でした。「あたり前じゃないの!植物だって生きているのに!人間の、どこが偉いわけよ。おなじ生物のくせに、何一つ造りださない人間の!」明日香の悲痛な叫びにドキッとしてしまう。十代の頃に読んでいたらまた感じ方が違ったのかな。続篇もあるそうなので読みたい。シンプルな挿絵も良かった。2018/11/04
にゃこ
16
グリーンレクイエムの美しい旋律が耳をすっと抜けていく。少女漫画タッチの新井さんの文体にも慣れてきて、楽しめるようになってきた。植物人間(?)の彼らの正体が分かっていくなかでも、二人に流れる時間はほんのり甘くて、のどかな気持ちにさせてくれる。蔦を纏う洋館、美しい緑の髪の少女、絵に描きたい。2017/02/22
Mof
4
これは、児童書としては大分攻めた小説だなあと思った。続編が出てるのが気になる。植物にとって、ベジタリアンだろうが、雑食者だろうが、変わらず生き物を殺して食べる人でしかなくて、人間はそうすることでしか生きられない生き物。でも、狩る側と狩られる側だったら、狩る側でいたいと思うもの。2023/06/24
florine
4
SF要素が面白かった。光合成をする人間は『シドニアの騎士』にも出てきたけど、食糧難に備えて実用化の研究がされているような気がしてしまう。植物に意思を持たせるという発想がよかった。2015/11/28
にがつ
4
読了。少し前の少女漫画な口調は、いまとなっては少し鼻に付くけども。おもしろかった。アイデアになるほどなーと。読みやすいけど、絵と合ってるのか合ってないのかわからんな…2014/10/22