出版社内容情報
古典の名著を現代語訳し、ハウツー本では解けない課題を自ら解く力を身につける「Contemporary Classics 今こそ名著」シリーズ。
大久保利通、木戸孝允と並ぶ明治維新の三大英傑として圧倒的な人気と知名度を誇る西郷隆盛が語った名言の数々を、維新の敵方であった庄内藩の人びとがその人物に惚れ込み、遺訓として編纂した『南洲翁遺訓』。
自著ではないものの、幕末の志士が残した書物として貴重な1冊です。
【西郷南洲翁遺訓からの珠玉のことば】
●「あんなに身を粉にして働くなんて、気の毒だ」と思われるくらいでなければ本当とはいえない。
●子孫のために美しい田んぼを買わない
●むやみに外国の真似をするならば、日本の国としてのあり方そのものが損なわれ、国力は衰退してしまう
●徳を教え、よい方向へ国民を導くことこそ、政治の根本である
●どれだけの歳入があるかをしっかりと把握し、その範囲内で歳出を図らなくてはいけない
●上に立つ者は節度を守り、道義を重んじ、そして恥を知る心を忘れてはならない
●自分は完全無欠だと思う人間には、だれも味方しない
●政策や制度は、それらを運用する適任者があって初めて活きてくる
●「敬天愛人」つまり、天を敬い、人を愛するという境地を目指すこと
●日頃から自分に克つことを心がけ、修練を重ね続けなければならない
●どんな人も許し、受け入れられるくらいの度量と寛容さを自分の心に持つべきだ
●自分を愛す心を持って他人を愛さなくてはならない
●人を相手にするのではなく、天を相手にする
●正しい道を歩み、道理に則った生き方は誰でもできる
●命も惜しくはない、名誉もいらない。官位や肩書き、金も欲しくはない
●突き詰めるなら、結果はどうなろうとよいのである
●周囲の評判など重要なことではない
●道を志す者は、偉業を達成して人から褒めそやされたいとは決して思わない
●万一の際どうすればよいかについて心がけている人なら、決して動揺しない
●どんなときも真心を持って接することに尽きる
●真心が深ければ、たとえその当時は、誰も知る人がいなかったとしても、いつか必ず、世間に知られる
●機会を捉えることは、事をなす上で大切である
●思慮というものはおおよそ、普段何もないときに、座って心静かな状態で重ねておくべき
●梅の花は雪の冷たさに耐えてこそ麗しく咲き誇る
●仁の一語は、一千年を経てもけっして変わることはない
目次
第1部 名著『西郷南洲翁遺訓』とは(『西郷南洲翁遺訓』が記された背景;現代に読み継がれる理由;西郷隆盛の足跡)
第2部 現代日本語訳で読む『西郷南洲翁遺訓』『漢詩篇』(『西郷南洲翁遺訓』現代日本語訳;『漢詩篇』現代日本語訳と解説)
第3部 西郷隆盛の言葉
著者等紹介
西郷隆盛[サイゴウタカモリ]
1827~1877年明治維新期の政治家・軍人。大久保利通、木戸孝允と共に「維新の三傑」の一人。通称吉之助、号は南洲。薩摩藩の下級藩士の出身で、島津斉彬の知遇を得て国事に奔走。討幕運動の指導者として薩長同盟に尽力。大総督府参謀として征東軍を指揮し、江戸城を無血開城させた。維新後は参議となるも下野し、西南戦争で敗れ、城山で自刃した。前名は隆永。幼名は小吉、吉之介。通称は吉兵衛、吉之助。号は止水、南洲。変名に大島三右衛門、菊池源吾
道添進[ミチゾエススム]
1958年生。文筆家、コピーライター。国内デザイン会社を経て、1983年から1992年まで米国の広告制作会社に勤務。帰国後、各国企業のブランド活動をテーマにした取材執筆をはじめ、大学案内等の制作に携わる。企業広報誌『學思』(日本能率協会マネジメントセンター)では、全国各地の藩校や私塾および世界各国の教育事情を取材し、江戸時代から現代に通じる教育、また世界と日本における人材教育、人づくりのあり方や比較研究など幅広い分野で活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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