出版社内容情報
古典の名著からヒントを得て現代の複雑な問題を自ら解く思考力を身につけるための新シリーズの第一回配本全3冊の1冊。古典の名著を現代語訳し、ハウツー本では解けない課題を自ら解く力を身につける「コンテンポラリー・クラシックス」シリーズの1冊。
日本実業界の父、渋沢栄一が経営哲学を説いた説話集を、わかりすい現代語訳にして用語解説を加えました。
「道徳(論語)と経済(算盤)は合一すべきである」とする考えから、現代にも脈々と通じる渋沢のビジネスマインドを読み解き、その知識と智慧を自身の拠り所として活かしていただきます。
はじめに
第1部 名著『論語と算盤』とは
1. 時代を超えて読み継がれる理由
先が読めない時に読む本
日本の強さの源泉
2. 『論語と算盤』が誕生した時代
語らずにはいられなかった理由
九一年の生涯における五つの時代
新しい国づくりのリーダー
国を豊かにすることで文明も進歩する
もっとやれたはず
3. 著者渋沢栄一の思想
思想を形成する三つの柱
道徳がややこしさを緩和する
世の中が豊かになれば自分も潤う
時代を超えたグローバルスタンダード
励ましの思想
第2部 『論語と算盤』を読む ―― 現代語抄訳で読む『論語と算盤』
第1章 処世と信条
論語と算盤はかけ離れているようで近い存在
士魂商才
人物の観察法
論語はみんなに向けた実用的教訓
気長に時間を待つことも必要
人は平等であるべき
よい争いと、悪い争い
立派な人物かどうかの試金石
蟹穴主義を貫こう
うまくいく時、そうでない時
第2章 立志と学問
精神を若々しく保つ方法
今を大事にしよう
自ら箸を取ろう
大きな志と小さな志とを調和させよう
君子の争いであるべきだ
社会と学問との関係
勇猛な心をいかに養成するか
一生をかけ歩む道を見つける
第3章 常識と習慣
常識とは何か
口は幸・不幸の門
嫌いな人でも美点を認めよう
習慣は感染し拡散する
偉い人と欠点のない人
親切のような不親切
何が本当の才能、本当の知なのか
動機と結果
人生は努力にある
正しいことを選んで、邪悪なことから遠ざかるには
第4章 仁義と富貴
本当の利殖法とは
お金の効力は持ち主次第
孔子は利殖や富をどう考えたか
貧困対策で最も大事なこと
お金に罪はない
義理合一の信念を持とう
金持ちには道徳上の義務がある
お金はたくさん集め、たくさん使え
第5章 理想と迷信
道理のある希望を持て
熱意を持って仕事にあたろう
道徳は進化すべきか
矛盾を乗り越えよ
人生観には両面がある
これは果たして絶望なのか
日新の必要性
真の文明とは
溜まった悪を取り除く理由
第6章 人格と修養
人格の善し悪しを決めるもの
元気をめぐる誤解
二宮尊徳と西郷隆盛
修養は理論ではない
普段の心がけが大切
誤解された修養説に反論する
どのように人格を磨けばよいか
第7章 算盤と権利
仁だけは誰にも譲れない
ただ王道があるのみ
競争に潜む善意と悪意
合理的な経営とは
第8章 実業と士道
武士道はすなわち実業道
自然の抵抗に打ち勝とう
物真似時代との別れ
何事も能率向上の方法がある
道徳が退廃したのは誰のせいか
功利の弊害を取り除こう
こんな誤解はやめよう
第9章 教育と情誼
孝は無理強いするものではない
維新後の教育で得たものと失ったもの
偉人にはどんな母がいたか
理論より実践
人手が余る大きな要因
第10章 成敗と運命
どんな時も真心と思いやりを
一見、失敗のような成功
人事を尽くして天命を待て
順境と逆境はどこから来るのか
細心かつ大胆に
成功も失敗も人生の残り滓に過ぎない
格言十訓
第3部 渋沢栄一に学ぶビジネスマインド
1. 事業と倫理観
論語で培うバランス感覚
常識を知ることの大切さ
すべてに秀でた凡人のすごさ
調和の取れた発展が文明国を作る
見ることを通じて論理を養う
曇りのない目で人を評価する
全体を見据えて考えを進める
日常で磨く倫理観
異なるものの中に共通点を見いだそう
2. 起業と精神
志があればぶれない
大きな目標は小分けにし、志に一貫性を持たせよう
対話を通じて論理を蓄える
原因と結果を論理的に考える
今の材料から将来を予測する
信頼をいかに築くか
見知らぬ人と気脈を通わすセンス
実践することでマインドが高められる
自ら好機を求めよう
3. 利他の精神
儲けたら自発的に還元しよう
利他はリーダーの資質
脈々と引き継がれる利他の精神
道添 進[ミチゾエススム]
【編訳】
デザインライター。国内および米国デザイン会社にて欧米グローバル企業のブランド活動とデザイナーの制作活動に従事。
JMAM広報誌『學思』にて、日本各地の「藩校」取材を行い、幕末から明治期にかけての道徳観・倫理観など、人間教育のあり方についての深い見識を持つ。
内容説明
道徳と経済は合一すべき、すなわち論語と算盤はかけ離れているようで近い存在―日本実業界の父渋沢栄一が伝えたかった熱い思いが、現代語訳と解説でよくわかる。
目次
第1部 名著『論語と算盤』とは(時代を超えて読み継がれる理由;『論語と算盤』が誕生した時代;著者渋沢栄一の思想)
第2部 『論語と算盤』を読む―現代語抄訳で読む『論語と算盤』(処世と信条;立志と学問;常識と習慣;仁義と富貴;理想と迷信;人格と修養;算盤と権利;実業と士道;教育と情誼;成敗と運命)
第3部 渋沢栄一に学ぶビジネスマインド(事業と倫理観;起業の精神;利他の精神)
著者等紹介
渋沢栄一[シブサワエイイチ]
1840(天保11)年~1931(昭和6)年。明治~昭和期の実業家、財界の指導者。武蔵国榛沢郡血洗島村(現埼玉県深谷市血洗島)に生まれ、幕末の青年期には討幕運動にも参加したが、のちに一橋家に仕え幕臣となる。1867(慶応3)年に渡欧して欧州の様々な知識を吸収し、明治維新の後に帰国して大蔵省に出仕。1873(明治6)年に大蔵省退官後は、第一国立銀行、王子製紙をはじめ多くの企業のほか、大学、病院、団体など600近くの様々な組織の立ち上げにかかわった
道添進[ミチゾエススム]
1958年生。文筆家、コピーライター。国内デザイン会社を経て、1983年から1992年まで米国の広告制作会社に勤務。帰国後、各国企業のブランド活動をテーマにした取材執筆をはじめ、大学案内等の制作に携わる。企業広報誌『學思』(日本能率協会マネジメントセンター)では、全国各地の藩校や私塾および世界各国の教育事情を取材し、江戸時代から現代に通じる教育、また世界と日本における人材教育、人づくりのあり方や比較研究など幅広い分野で活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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