内容説明
この本は、経営上のさまざまな意思決定の基礎として重要な経済性分析の諸原則を体系的に整理し、現実の企業実践に活かすための基礎的な考え方と計算技法をまとめたものである。
目次
1 現状の展望と問題点の提示―経済性工学のねらいと役立ち
2 経済性の比較の原則―可変的費用・収益のとらえ方
3 比較の原則の応用―状況に応じた損得の判定
4 投資案の評価と資金の時間的価値―時間換算の基本公式とその応用
5 条件に応じた判断指標の使い分け―独立案・排反案・混合案
6 複数投資案の比較と選択―設備投資の経済性分析
7 物価変動を考慮した投資分析―考え方と計算手法
8 不確実な見通しのもとでの分析と決定―感度分析、優劣分岐分析を中心にして
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イソテルス
2
複数の投資案があるとき、どの案を選ぶのが一番儲かるのか。初期投資費用が違い、製品1個あたりのコストも異なるとする。年間にどのくらい製品が売れるのか分かれば、単純に計算することができるが、現実には事前に正確な販売数がわかることは稀である。この本では、そのような見通しが利かない状況のなかで判断を下すためには、どのように各投資案を分析すればよいかが解説されている。出てくる計算内容自体は難しくないが、適切な計算を行うまでの考え方が重要だとわかる。2014/07/02
yoschi_s
1
生産活動における損得計算を中心の話題とし,製品間の比較や投資案の評価方法などを紹介している。 具体例をたくさん踏まえながら,固定費と変動費の考え方,赤字製品と黒字製品の比較などについて説明している。会計やファイナンスの書籍で学んだ内容を,より突っ込んで学ぶ際に参考になるところが多い。 第1章で,経済性工学を適用するときの難点を説明しているので,本書の内容を適用できる限界もわかりやすいと思った。2018/03/18
miura
0
物価の変化も変数に入れるのはなるほど。変数を上下させて影響が小さい場合は外していくのは使える時が来るかもしれない。2024/11/24
Ryo
0
意思決定にどこまで定量情報を活用するべきかを考えるきっかけとなる。 固定費と変動費や、キャッシュフローの現在価値など、経営の意思決定は不確実性だらけであるが、簡単な意思決定であれば経営者は不要なわけで、変化していく状況に応じて柔軟な意思決定ができるように計画担当者との間で密に連携していくことが必要であり、その状況を作り出すために計画担当者はその時点で正確な数字を取りまとめなければならないのである。2023/03/05
miura
0
最後の方で、本当に心配な不確実要因を選りわけるとなっているのがいいなと思う。2021/02/04