内容説明
少年アリージャの目に映った戦争とは?ボスニア・ヘルツェゴビナのしずかな村に暮らす家族と犬のものがたり。2002年度オーストラリア児童図書賞受賞作。
著者等紹介
ヘファナン,ジョン[ヘファナン,ジョン][Heffernan,John]
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北部の農場に、妻と2人の娘、3匹の猫、8匹の犬、多数の馬や羊と暮らす。農場経営のかたわら、犬や馬を主人公にした物語やSFなどを書く。『ぼくの犬』ははじめての絵本で、2002年度オーストラリア児童図書賞(低学年部門)を受賞した
マクレーン,アンドリュー[マクレーン,アンドリュー][McLean,Andrew]
オーストラリア、メルボルン在住の画家、イラストレーター。幼稚園教師のジャネットと結婚後、夫婦共作で『それいけ!あかいきかんしゃ』(徳間書店)、『しっぽをパタパタ』(瑞雲舎)など主に幼児向きの絵本をつくりはじめ、人気を得る。他の作家の作品に絵をつけたものも多い
福本友美子[フクモトユミコ]
慶応義塾大学文学部卒業。公共図書館勤務を経て、現在はフリーで児童書の研究、評論、翻訳、書誌作成などをする。立教大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんちゃん
23
読友さんのご紹介本。静かな村に難民達が流れてくる、やがてその村も戦火に巻き込まれ、離れ離れになる家族。今もなお見えない火種のくすぶり続けるボスニア・ヘルツェゴビナ、ここにも私の知らない世界、でも知らなくてはいけない世界がありました。主人公の少年にとっての戦争はまだ終わっていない、果たしてこの少年は家族と再会することができたのか、絵本は何も語ってくれません。ただただ、平和を祈るのみです。2011/10/04
みさどん
19
ボスニアヘルツェゴビナ紛争の話。現実に起きているような事が次々と主人公を襲い、やるせない。見知らぬおじさんが救いの手を差しのべ、明るい終わりのようにはあるけれど、とんでもなく辛い日々ばかり。このような目にあった人々がたくさんいるのだろうと思わせられる。戦争の混乱には、死や別れや野蛮行為がつきまとうのだ。子どもに読み聞かせたくないと思ってしまった。ここから何の救いが感じ取れるのだろう。翻弄されるだけの民衆の姿があるだけだった。2017/12/23
わむう
18
ボスニアヘルツェゴビナ紛争に巻き込まれた少年の話。2020/01/24
いろ
18
1人で11月ワンワン犬絵本祭♪開催しました^^ ボスニア・ヘルツェゴビナで戦争に巻き込まれ家族離散する少年のお話。目の前で息をひきとる行きずり老人や,母親が連れ去られるなど,辛い場面も多いが,子供目線で淡々と話が進む。この絵本に描かれている紛争は「日本とアメリカが敵だった時(第2次世界大戦)のお話?」9歳男児は大戦以降はずっと平和と信じていた模様。ニュースで世界の様々な地域の紛争・戦争の話題を聞いてはいるが,平和な日本で暮らしていると,それらが現在進行形と実感するのは難しい。豪州作家の絵本というのは意外。2017/12/07
ヒラP@ehon.gohon
9
【再読】大人のための絵本2025/02/05