菊池幽芳全集

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菊池幽芳全集

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  • サイズ A5判/ページ数 15冊/高さ 22cm
  • 商品コード 9784820581796
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

出版社内容情報

解説
安西彰
底本=国民図書版(大正13~14年)

「新聞小説」の内容形式を確立した“家庭小説”の第一人者・菊池幽芳の主要作品を網羅。
〈「私の自叙伝」より〉
私はやつぱり小説で名を成さう、私は名を挙げて故郷のものや、愛人の喜びを加へなければならない。
・・・私の著作を読む事を彼女の唯一の楽みとし、唯一の誇りとするやうな、名ある文学者になる事だと心私(ひそ)かに誓つたのである。
                     
幽芳について
明治3年10月27日~昭和22年7月21日(1870~1947)。
新聞記者・小説家。
大阪毎日新聞の記者として活躍するかたわら、同紙に「己が罪」(明治32~33)「乳姉妹」(明治36)「筆子」(明治39)「百合子」(大正2)「白蓮紅蓮」(大正10)などの小説を次々に連載、特に「己が罪」は大反響を呼び、家庭小説の第一人者となった。
マロの「家なき児」の翻訳でも知られる。
この間に大阪毎日の社会部長、学芸部長、編集顧問などを歴任、大正13年には同社取締役に就任した。

推薦のことば
冴えた時代感覚
岡 保生
(青山学院大学名誉教授)
菊池幽芳は、明治時代に入って日本国民が初めて持つことになったマス・メディアの「新聞」に毎日連載される、いわゆる「新聞小説」の内容、形式を決定づけた文学者である。
幽芳の大阪毎日新聞連載小説、「己が罪」(一八九九)「乳姉妹」(一九〇三)以下がそれである。
〝家庭小説〟といわれ、満天下の女性読者を魅惑した。
大正後期にもその人気は衰えず「白蓮紅蓮」(一九二一)などがあり、年少の読者にも愛読された。
新聞人幽芳の時代感覚が抜群に冴えていたのである。
     
家庭小説再考の絶好の機会
大屋幸世
(鶴見大学教授)
明治後半期、流行した通俗的家庭小説とは何か。
これは私の長年の問題であった。
ある時期は集中的に読んだ。
徳田秋声、柳川春葉、草村北星、そして菊池幽芳などだ。
しかし彼等を支えている、文化的基底ははっきりとはわからなかった。
そのため、何の論も書けずに今に至っている。
その問題意識は現在も持ち続けているが、今度『幽芳全集』が再刊されるという。
これを機に、家庭小説とは何かについて、再考してみたい。

新たに、解説(安西彰)、演劇化・映画化作品一覧、年譜、初出一覧等の参考資料を付した決定版全集!

収録内容
第1巻
己が罪
明治三十二年の執筆にかゝるもので・・・まだ小説を口語文で書く事が行はれて居なかつた時代の作品である。
(幽芳自身によるコメント・以下同様)
第2巻
乳姉妹
若き妻
『乳姉妹』は御承知の通り、『己が罪』同様の評判を取り、劇に脚色されては当時勃興の新派劇に争ひ演ぜられた・・・。
第3巻
月魄 藤乃の巻 倭文子の巻
再び世にだすについて思ふ事は、この小説の女主人公倭文子が当時の理想の女を代表したものである事であ
る。
第4巻
家なき児
『家なき児』は四年前に世を去れる仏国小説家工クトル、マロー「サン、フアミーユ」を訳したものである。
第5巻
百合子
私はこの女主人公に最後の永眠を与へる筈で居ながら、書いて居る中に却つて、新生を与へて了つた事も書添えて置う。
第6巻
小ゆき
私は少青年時代には草艸紙を耽読したものだつた。
草艸紙風のものを現代式に書いて見やうと企てたのが「小ゆき」である。
第7巻
毒草
此小説は大正五年大阪毎日及東京日日紙上に掲載されたものである。
第8巻
女の生命
この小説は大正七年「大阪毎日」及「東京日々」に掲載されたものである。
第9巻
お夏文代
新橋駅がまだ東京の関門になつて居た当時を背景にした作品である事を断つて置く。
第10巻
須磨子
妻の秘密
『妻の秘密』は大正十二年雑誌現代のために執筆したものである。
第11巻
忘れがたみ
女の行方
・・・後者(『女の行方』)は、カゼリン女史の探偵小説を仏国文壇の奢宿であるローニー(兄の方)の仏訳から重訳したもの・・。
第12巻
白蓮紅蓮
なほこれはオクターブ・フイエーの或ものゝ大体の骨子を借用して、これに私の思想を盛つたもので、血と肉が私のものである事を御断りして置く。
第13巻
私の自叙伝
短篇其他 コンフエツチの雪 レヴエーヨン 森のかたみ他
紀行文三篇 賀茂丸より 朝鮮金剛山探勝記 琉球と為朝(琉球紀行断片)
自叙伝は私の大阪毎日入社三十年記念として大正十二年の『サンデー毎日』に連載したもの。
第14巻
恋を裏切る女
この小説は大正九年から十二年にかけ、婦人画報に連載されたものであるが、私自身としては多少満足を感
ずる作品である。
第15巻
彼女の運命
此小説は大正十二年大阪毎日新聞及東京日々新聞に連載し、『白蓮紅蓮』と相似たる異常の好評を博したものである。
参考資料〈新組〉
・初出一覧
・『幽芳全集』発行後の著者
・演劇化・映画化作品一覧
・年譜/解説

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