出版社内容情報
小澤耕一・芳賀登/監修
田中康弘・別所興一・吉川利明・渡辺次郎/編
A5判・上製・総2300頁
揃本体70,000円(各巻本体10,000円)
内容案内
第1・2巻
日記・紀行(上・下)
ISBN4-8205-6305-X(第1巻)本体10,000円
ISBN4-8205-6306-8(第2巻)本体10,000円
●解題
寓画堂日記[日記]
崋山先生謾録[日記]
東海道駕籠日記[紀行]
遊相記―使相録[紀行]
四州真景図[紀行]
刀祢河游記[紀行]
帰都日録[紀行]
目黒詣[紀行]
全楽堂日録[日記]
游相日記[紀行]
毛武游記[紀行]
武蔵野紀行[紀行]
客参録[紀行]
参海雑志[紀行]
守困日歴[日記]
第3・4巻
書簡(上・下)
ISBN4-8205-6307-6(第3巻)本体10,000円
ISBN4-8205-6308-4(第4巻)本体10,000円
●解題
二七二通
文化・文政期 15通
天保元年 6通
二年 9通
三年 11通
四年 10通
五年 7通
六年 10通
七年 15通
八年 15通
九年 33通
一〇年 34通
一一年 48通
一二年 28通
年代不明 30通
北町奉行宛口書
●政事的意見書等(書簡収録)解説
・進書趣意書並進書目録
・藩王康直諫状
・藩重役宛藩政改革指示書簡
・凶慌心得書
・格高制新法意見書
・藩校成章館趣意書
・幕閣宛助郷免除嘆願書
・無人島渡航願
・幕閣宛褒詞内願書草案
・北町奉行宛口書
第5・6巻(上・下)
日記・紀行
ISBN4-8205-6309-2(第5巻)本体10,000円
ISBN4-8205-6310-6(第6巻)本体10,000円
崋山先生漫録
遊相記―使相録
刀祢河游記
帰都日録
目黒詣
全楽堂日録
游相日記
毛武游記
客参録
参海雑志
書簡
五六通
第7巻
解説・年譜・参考文献ほか
ISBN4-8205-6311-4(第7巻)本体10,000円
慎機論
・影印・活字・解題
退役願書稿
・影印・活字・解題
牢中縮図
・影印
論文
最晩年の志士崋山の憂憤
崋山研究史の課題
渡辺崋山伝の成立の背景とその根拠
年譜
参考文献
正確な読み、厳密な校訂による決定版、遂に刊行!
画家,思想家として著名な渡辺崋山の記した「日記・紀行」「書簡」269通
など重要資料をすべて活字化し,詳細な注と解説を付す(1~4巻)。
また特に重要な資料の影印も収録(5・6巻)。
「崋山全集」以来88年ぶりの刊行となる。
崋山の人間像と思想を明らかにする“最新の崋山集”。
開明思想家として、田原藩家老として、画家として、父として激動の時代を生きた渡辺崋山。
八八年ぶり“最新の崋山集”遂に刊行。
国宝「鷹見泉石像」の作者として知られ、また開明思想家として蛮社の獄に連座した渡辺崋山の人間像と思想を明らかにする決定版。
明治四三年刊『崋山全集』(鈴木清節編・崋山会発行)以後の、多種多様な研究成果を吸収して八八年ぶりに刊行する質の高い“最新の崋山集”。
すべての資料に詳細な注と解説付!
崋山の記したすべての日記・紀行、新発見二七通を含む書簡二七二通など重要資料を活字化。
正確な読み、厳密な校訂に基づく初めての資料集といえ、すべての資料に詳細な注と解説を付した。
崋山の真筆に触れる!
特に重要な資料の影印を5・6巻にまとめ、崋山の真筆を手ざわりの実感で確認できるようにした。
各資料の全文の影印を掲載し、貴重な崋山の真筆と活字を対比しながら見ることができる。
画家崋山の魅力も満載!
日記・紀行に添えられた多くの挿絵は、画家崋山の魅力も余すところなく伝える。
崋山研究者、歴史学・日本思想史研究者ばかりでなく、美術史の研究者、崋山の書画に関心のある多くの方々に広くおすすめできる。
より崋山を知るために
第7巻には、崋山の思想を知る上で欠かすことのできない慎機論、退役願書稿(影印・活字・解説)を収録。
また、より理解を深めるために監修者による論文、巻末には年譜と参考文献を付した。
●考証にあたって、崋山の地元田原・豊橋などの遺墨所蔵者、博物館、図書館のご協力をいただいた。
幕藩制社会の中にあって、世界をグローバルにとらえ、鋭い洞察と先見により、鎖国政策を批判した渡辺崋山。
国際化が叫ばれ「第三の開国」といわれる政治・経済状況にある現代の日本人にとって、今あらためて学ぶべき思想家である。
刊行の意義
崋山の思想と言説を総集
三河田原藩の家老をつとめた渡辺崋山は、近代の夜明け前に生き、世界文明を受けとめた幕末の開明的な江戸侍であり、学者・画家・文人でもあった。
その生涯と業績については、女婿の松岡次郎をはじめ今日に至るまで、多くの人が調査・記述を行っている。
しかし、その思想と言説を完全にまとめた人は一人もいない。
崋山は四九年の生涯を政治と芸術の中にあって、多方面に活躍し、時代に先駆けた人である。
その思想と言説の総集は、最も困難な仕事であった。
既刊の「崋山全集」は、未収録のものが多く、杜撰の評を免れない。
彼の画業については、多くの画集等で刊行されているが、その文筆の面については、未だ「崋山全集」を越える総集の刊行はされていない。
本書は『渡辺崋山集』の名で、崋山自筆の影印版を載せ、日記・紀行・書簡等をできるかぎり完全な形で採録した。
また、書簡については、新発見の二七通を加え、日記・紀行・書簡の全般にわたって懇切な註釈・解説を施している。
編集のスタッフは、いずれも新進気鋭の士であり、在来の翻刻に現代的感覚をもって精密な検討を加え、厳しい論争を重ね、八ヵ年余を費やして遂に集大成するに至った。
その上、郷国田原を中心として全国各地の崋山研究の成果を取り入れ、精査・研究している。
ここに第一期刊行として、『渡辺崋山集』全七巻を世に送ることとする。
これは二〇世紀の人間から二一世紀への贈り物である。
第一期未収録の崋山著作については、なお、第二期以降で続刊の見込みである。
二一世紀に大いなる希望をもって臨む人たちが、本書により崋山のヒユーマニティと理性に深い理解を持たれ、崋山が世界から学んだものを、また日本近代へ贈った志を、より深く学ばれることを願うものである。
小沢耕一
芳賀 登
推薦します
いよいよ世界に向けて崋山評伝を!
東京大学名誉教授
岡崎市美術博物館館長
芳賀徹
渡辺崋山について、これまできちんとした近代的な評伝は書かれたろうか。
遺憾ながらまだ一冊もないようだ。
武士で藩の行政官で、画家で洋学者で経世の思想家でもあった崋山の全生涯と事跡順について、すみずみまで調べ、なお包括的で美しい評伝を書くというのは、たしかに至難の業である。
だが、このたび待ちに待った『渡辺崋山集』が刊行されれば、その仕事も不可能ではなくなる。
これによって崋山の文章のひだに分け入り、絵や写生の筆づかいにまで目をこらして、この一九世紀日本人のもっともすぐれた武士知識人の心の歴史をたどり、物諸るならば、それは日本人が二一世紀の世界に与えうる、もっとも貴重な精神の贈り物となるだろう。
信頼できる崋山集
小説家
杉浦明平
私は渡辺崋山こそ立ち遅れた封建日本に生まれたホモ・ユンベルタスの一人、つまり日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ一族であると、かねがね信じてまいりましたが、今回小澤耕一・芳賀登氏監修の『渡辺崋山集』全七巻に収められた貴重な日記・紀行、書簡その他の原資料のお陰で私の希望的幻想は、ほぼ確かめられそうです。
珍しいだけでなく、崋山のスケッチの断片も入っていて楽しい。
校訂についても崋山自身の原文に忠実で、信頼しても間違いありません。
長崎純心大学教授
田原福祉専門学校顧問
一番ヶ瀬康子
社会福祉の先駆者、教育の先達者、崋山先生。
不透明、不安定な今こそ、その想いと所見を、しっかりと学び合うことの意義は大きい。
常葉学園短期大学教授
常葉美術館館長 文学博士
日比野秀男
崋山の思想と芸術測り知れない。『渡辺崋山集』は待望久しき出版である。
財団法人 崋山会会長
田原町長
白井孝市
二一世紀を間近に迎え、渡辺崋山の思想を現代によみがえらせた。
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