目次
1 桐生市民の子(未来;夜あけ ほか)
2 青春(東京府立第四中学校;先生たち ほか)
3 ハイデルベルク(最大の収穫;センチメンタリズムからの解放;市民的哲学者クロオチェ)
4 日本の歴史(第二次大戦にむかって;日本大学史学科の創立 ほか)
5 屈辱の鎖から(一年ののち;日本脱出 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
9
日本図書センターの自叙伝復刻シリーズの一冊である。府立四中(現在の戸山高)の模範学校ぶりには自由人の著者は閉口した面もあったようだ。一方、藤森良蔵の日土講習会の模試で良い点をとったなどの書きぶりは、ご馳走様でしたとしか言いようがないが。本筋に戻ると、日本史専攻の著者は日本資本主義発達史講座の刊行により治安維持法違反で逮捕されたが、担当教授の黒板勝美の尽力により釈放される。クローチェとは文通での付き合いであったが、その訳は河合栄治郎の生きる糧となった。福沢諭吉に倣い、学問のすすめを謳う。2020/10/21