出版社内容情報
人間の記録 第54巻 岡 潔 「日本の心」
四六版 本体1,800円
ISBN4-8205-4297-4
岡 潔(1901~1978)大阪府出身
多変数解析関係論の本質的な部分をほとんど独力でつくりあげた数学者。
また心の働きにも関心が深く、著書も多い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コジターレ
5
数学を極めると何に行き着くか。著者の造詣の深さもあり面白いのだが、僕があまりに教養がないため読み進めるのに難儀する。半分ほどで挫折した。興味はあるので、いつか再読する日まで寝かせることにした。2025/01/04
るる
5
文学者かと思うほど叙情的な文章である。数学は哲学なんだと数学専攻していた子が言っていたのを思い出した。 昔の人は、流れるように俳句を詠めるし、文学は勿論のこと、絵画などの芸術にも造詣が深い。それが、教養だったのか。 豊かさってなんだろう。岡潔が危惧した通り、情緒を失ってしまった世界になっているように思う。2016/07/27
OHNO Hiroshi
4
感動しました。考えが文学者のそれとは異なり、数学者はこう考えるのかと思います。「人の中心は情緒である」かっこでとじてある言葉が切ない。 「私は涙なしに今ここを書いたのではありません。」2016/06/14
nobinobi
3
森田真生氏の数学する身体を読んでから、いつかはきちんと読みたいと思っていた本。「情緒」が当書のメインテーマだと思うが、具体的に情緒とは何かと考えてみると、なにかもやもやした感じが残った。連句が「情緒の調和」とみてみるとよくわかる、という文章から推測するに、情緒とはこころの風景のことなのかと感じた。つまり、こころの風景は人によってそれぞれ違うが、連句はそのこころの風景を互いに歌という形で述べ合い、次第に相手が見ている風景に擦り合わせいく行為である、と考えればそうなのかなという印象を受けた。2016/12/04
JJ
2
岡潔が語る日本人論。ナショナルアイデンティティについて意識させられる。偉大な数学者は数学ばかりやっていない。2017/06/30