出版社内容情報
しづかにすすむ一列の。/ながい無言の一列の。/蛙の列がすすんでゆく。/ひたひに青い蛍をともし。/万の蛙等すすんでゆく。(「るるる葬送」) 初刊の装丁を模したデザインの詩集。
著者紹介
1903~88年。福島県生まれ。詩人。著書に「富士山」「わが光太郎」など多数。
内容説明
蛙を通して「人間」を見つめる―初刊のデザインの香りをつたえる新しい愛蔵版詩集シリーズ。
目次
誕生祭
音のない風景
るるる葬送
ごびらっふの独白
桂離宮竹林の夜
小曲
ケロッケ自伝
ガリビラ自伝
古虎自伝
めっかちの由来とその後〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中寛一
14
コラムで知った「●」の一文字の詩「冬眠」を眺めたくてこの詩集を借りて読む。今から70年ほど前、衝撃的だったろう。「冬眠」につぐ「ぐりまの死」で、子供にたたきつけられて死んだぐりまの口に、菫の花をさした、るりだの気持ちが痛い。初めて耳にするカエルの擬声語に戸惑う。草野さんは蛙と一緒に田ん圃で過ごしていたのではないかと思ってしまう。擬声語だけの「ごびらっふの独白」に続く「日本語訳」の中に「幸福といふものはたわいなくっていいものだ。…素直なこと。/夢を見ること。/…美しい虹だ。/」そう思える心でありたい。2014/01/09
あかくま
0
一日1~2篇ずつ、ゆっくりと時間をかけて読んだ。「誕生祭」「ごびらっふの独白」はじめ、なんと豊かな蛙語だろう。初版が昭和23年。古さを全く感じさせないことに驚く。特に好きなのは「誕生祭」。宝塚のショーが始まる前のどきどきした感じによく似た胸の高まり・・。あるいは第九「歓喜の歌」。ソリストが歌い、次第に大合唱になってゆく緊張と解放が混じり合った音楽の高まり。蛙になって歌いたい。2013/03/21
hirayama46
0
久しぶりに詩集を読みました。繰り返されるオノマトペから生み出される生と死は、蛙という人間から見たらちっぽけな存在ながらもダイナミズムに満ちています。「冬眠」みたいな実験作も楽しいです(ページの真ん中に黒丸が記されているだけ、という詩)。あとはやっぱり教科書にも乗っていた「河童と蛙」は好きです。2012/06/25
かさじま
0
「青い鳥」からこの本を知りました。りーるるる りーるるる2009/08/26
トニー
0
<図書館>ぜひとも手元に置いておきたい!蛙好きとしても。ばらあらばらあ2009/01/01
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