出版社内容情報
『写真記録 パレスチナ』全2巻 本体18000円
今、パレスチナは危機的な状況に陥っている。35年の間パレスチナ問題を撮り続けてきた著者の思いをすべてぶつけた写真集。第1巻では、中東戦争以後アフガンまで、紛争の歴史を写真と解説で伝える。
著者紹介
1943年中国生まれ。早稲田大学卒業。フォト・ジャーナリスト、ビデオ・ジャーナリスト。ベラルーシから国民栄誉勲章を授与。チェルノブイリこども基金代表。著書に「人間の戦場」ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
244
著者の広河隆一は著名なフォト・ジャーナリスト。筑紫哲也と池澤夏樹の推薦文を付す。写真は第三次中東戦争の後の1967年にはじまり、本書刊行の2002年までを収める。イスラエル側からもパレスチナの側からも撮られているが、パレスチナ側に立ったものが圧倒的に多い。著者の視点も客観的ではあるが、やはり必然的にパレスチナに肩入れしていくことになったのだろう。イスラエル軍のそれは、戦闘や対テロの哨戒といったものではなく、写真を見る限りでは虐殺としか言いようのないものである。パレスチナの人々のあり様は、悲惨を極める。2025/03/19
読書実践家
10
衝撃の一冊。日本が閉ざされて平和天国にいる実感が持てる。こんな事が世界では起きている。写真の威力を痛感した。純真な子どもの栄養失調でやつれた表情。動き出しそうにないほど、疲れた女性。無残な死体に仕掛けられた手榴弾。死体に触れると爆発する。いがみ合った果てにあるどうしようもない現実を見せつけられる。そして、瓦礫一面の地上から見える広すぎる空。2016/03/19
愛希穂
1
筑紫哲也氏の推薦の言葉・・・ 9・11の前にもあとにも、もっと多くの「罪もない人々」が殺され続けた。彼らについては、9・11のように個々の物語が語られ、メディアの脚光が当てられ、大々的な追悼行事が行われることはない。アメリカ人もアフガニスタン人もパレスチナ人も、生命の価値は同じはずなのに、ここには不当といってよいほどの情報の「非対称」が存在する。 9・11の「衝突」に至る道筋の根源とし…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2010/08/23
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- 和書
- 永田町中国代理人