出版社内容情報
母よ- 淡くかなしきもののふるなり 紫陽花いろのもののふるなり はてしなき並樹のかげを そうそうと風のふくなり
著者紹介
1900~64年。大阪市生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。詩人、翻訳家。著書に「南窗集」「萩原朔太郎」など。
内容説明
美しいリズムで刻む抒情の世界。初刊のデザインの香りをつたえる新しい愛蔵版シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
253
三好達治の第一詩集。昭和5(1930)年刊。達治30歳。三好達治との出会いは、高校1年生の時。教科書に2篇の詩が掲載されていた。それが、「雪」と「甃のうへ」である。最初には「甃のうへ」の鮮烈な抒情に強く惹かれた。「あはれ花びらながれ」の打ち出しから、痺れるような詩の世界に飲み込まれていったのである。後には「雪」の持つ詩の豊饒さに静かな驚きを抱くようになるのだが。「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」のわずか2行に表出された、圧倒的なまでの静寂と、温もりの感覚。⇒2025/11/22
ようこ
3
絶対好きになるからと思って、あえて避けていた三好達治に手を出してしまった…。やっぱり好きです。序盤の詩が、特に強く朔太郎の影響が出ている気がした。動物では鳥類と鹿がよく出てきた。母を拠り所とする詩もいくつかあって、それは時代柄なのか作者の人柄なのか。銃がよく出てくるのも特徴的だと思う。わりと最近の人なので文体は読みやすい。散文詩でもテンポがすごくいいので、軍国詩ではさぞ映えたのだろうと不謹慎なことを考えた。「乳母車」「湖水」「池に向かえる朝餉」「獅子」が特に好き。2017/06/16
warimachi
3
まあ……勝てんよな、こんなのに。2012/11/22
椿
2
三浦しをんが「雪」のことを書いていたので。漢字が難しくて漢和辞典を久しぶりに使ったよ。2014/04/21
a
1
強いて言えば概念的。2024/12/12




