感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
37
聖書協会が新訳の聖書を出すにあたって行った懇談会の講演録。翻訳のベースとなるヘブライ語、ギリシア語の聖書の本文批判等が進んだことや日本語の変化等を解説してくれていると言っていいと思う。個人的にはそれでも新聖書翻訳と題された津村の講演で、翻訳上の問題となりうる箇所を新共同訳、新改訳、口語訳、文語訳の比較に加え、フランシスコ会訳、岩波委員会訳、田川訳にNA28を比較するというもの。本文そのものの語の差異をどうするか?分の区切りをどう考えるかといった問題でややこしいが結果を見るとうわぁ。となると思う。2020/06/03
はや
8
2018年12月に刊行される「聖書協会共同訳聖書」の翻訳事業の中核で活動された方々の講演をまとめた書である。私はかねてから聖書翻訳者の声を聞いてみたいと考えていた。果たしてこの書は私の好奇心を満たし、訳が向上することを約束してくれた。権威があり、難解である不思議な古文書が現代の日本語でみずみずしく生まれ変わる。最新研究の知見を反映し正確性を増す。こうして神の言葉はますます時間を超え、距離を超えて読者に近づくことになるに違いない。翻訳者の産みの苦しみが喜びへと昇華されることを私は読者の一人として待望する。2018/10/23